しびれる駆け引きの末、白星を取り逃した。

日本ハムは9回サヨナラ負けを喫し、連勝は5で止まった。同点の9回、新庄剛志監督(51)は2度、スクイズのサインを出したが、いずれも外され失敗。その裏、逆にエンドランを成功され、最後は犠飛で決勝点を奪われた。借金は再び4に戻り、3位ロッテとの差は、再び6差に開いた。

   ◇   ◇   ◇

裏の裏を突いた新庄監督の奇策が、見破られた。同点の9回無死二、三塁、石井がスクイズを試みるも、外されて三塁走者の上川畑がタッチアウト。1死三塁で、フルカウントから再度スクイズも、再び外され三振。飛び出した三塁走者江越も挟殺に倒れ、勝ち越しのチャンスを逃した。

指揮官は「こう逆を…その逆をいって、まあまあ。僕の采配のミス。(2度目は)勝負してくると思ったんですけどね」。これで流れを持って行かれた。その裏、1死一塁からロッテ田村の左前打で、既にスタートを切っていた代走和田が一気に三塁まで進塁。ライナー性の打球で捕球されれば併殺の場面だったが、迷わず三塁まで突っ走られると、打球も左前に落ちた。

1死一、三塁から続く安田の打球は左翼ファウルグラウンドへ。難しい判断の中、左翼の松本剛は捕球した。「今日の風だったら僕の中では戻ってくると思ったが思ったより戻ってこなかった。でも迷ったら取る。僕の判断でした」。最後はZOZOマリンの風にも惑わされ、サヨナラの走者を生還させてしまった。

あと1歩で白星を逃したが、3位ロッテとの直接対決は、これで1勝1敗。前日23日は9回に1点失い、一打出れば追いつかれる場面で、守護神田中正が踏ん張った。確実にしぶとさはついてきている。指揮官は「駆け引きというところで負けました。下を向かず。ベンチが悪い。僕が悪い。割り切ってもらえているので」。やられたらやり返す。カード勝ち越しで、再び上昇気流に乗りなおす。【永野高輔】

【関連記事】日本ハムニュース一覧