38年ぶりの日本一を成し遂げた阪神岡田彰布監督(65)が11日、高知・安芸市で行われている秋季キャンプで若虎をチェックした。前日10日に高知入り。この日が指揮官にとってのキャンプ初日だった。練習前にはナインを集めて訓示を行った。練習後の岡田監督の一問一答は以下の通り。

 ◇   ◇    

-初日は全体を見た

「いやいや、ずうっと、そうやんか」

-次の1年の戦いが始まったような感じは

「いやいや、まだそんな感じせえへんわ。まだせえへん。それは」

-訓示では

「いやいやまあ、なあ。メンバーが全然ちゃうけどな。去年、こっからスタートしたわけやから。まあそれで、あんだけ、1年で、あんだけ成長していくわけやからなあ。だから、そんな一緒のメンバーでできへんから、新しい力っていうかな、そういうの絶対いるから、毎年。そういうことを言うたんやけどな。ほとんど、初めてやからな。見るのがな。今来てる(メンバーの)、ほんと6割、7割は初めてやからな」

-ブルペンでは去年と同じで高めに構えろと

「そうそう。このクールは、真っすぐだけ投げえって言うたんよ。ここで判断するのとちゃうからな。おーん」

-投手はあの高さに強い球を投げられることが大事

「いやいや、やっぱり強いボールっていうか、スピンの効いたボールな。だから、ずうっとな、西純なんか、悪かったけど、やっぱり150以上、出ても、棒球やったら打たれるいうことやからな。ストレートで、空振りとれんやんか。そういう、やっぱり、バッターボックスの、バッターが振るとこでスピンがかかったな、そういうボールを放らんと。数字は関係ないよ。数字じゃなしに、そういう生きたストレートというか」

-西純は100球以上投げていた。アドバイスをしたような様子も

「棒球言うたらおかしいけど、ズドンって来るボールて、もう今はな、バッターはマシンでなんぼでも速い球を練習できるしな。おーん。自分ではボールいってるように見えても、バッターには来てないように見えてるかも分からんしな。そのへんやな。そのへんの感覚をな、ストレートの。3の1くらいやな。割合はな。3の1あるかどうか。その感覚を、自分でつかまなアカンわな。目いっぱいいっても、そんなボールいけへんよ。難しいけどな、コツっていうか。7分、8分な。7分ぐらいで投げてもバッターの手元でピュッとこう伸びるっていうか、生きている球な。そこで」

-いい意味で目立った選手はいたか

「いやいや、今日は初日やからそこまであれやけど、なんていうかな、強く振ろう、強く振ろうと思ってもな。力が入るだけでな、結局は。高校生なんか今まで金属バットで打ってて、木のバットになって、しょうがない部分があるけどな。徐々にな、なんていうかな、そんなに力を入れなくてもボールの速さを利用して打つとか。そういうタイミングとかコツとか、そういうのを養っていかなあかんよな。でもそういうのはこれからやもんな、ここに1年目の選手もおるけどな。ただ単に強く振ったらええだけじゃないからな。余計にしんどいやんか。相手のボールを利用せんとな。ある程度。だから、あれやで、リストワークが弱いよな。金属バットの影響かな。極端に言うたら、ぶつけにいくだけみたいな、な。だからボールにスピンがかからんわな。今日、トレーニングルームで言うたんや、『リスト鍛えろ』って。鍛えるって、今なんかウエートでいくらでもできるやんか、いっぱい器具があるから。俺らの時は大学の時、早稲田なんか、風呂の中に石が3つか4つぐらい入れて、こないして…、そんな原始的なことやってたけどな、俺らのときは。でも今はいっぱい器具があるやん。阪神でも俺ら1年目は、折れたバットにひもと重しをつけて、こないしてリストを鍛えたわけやんか。今なんか機械でナンボでもできるわけやから。そうやで、俺ら1年目の自主トレそうやったで、こないしてお前、ひもを引っ張って。そうやで」

-そうすると効果がある

「やっぱり、インパクトで負けるというか、速いボールに、二の腕とか腕力があるかもわからんけど、最終的にはリストでスピンをかけなあかんわけやから、それが弱かったらポーンとポップフライになるわな」

-課題を見つけるのもキャンプ

「うん、だから、強く振る、強く振るということだけじゃあかんいうことやろな。150のボールに対して、そのボールに負けんようにただ腕で振る、ぶつけにいくだけじゃやっぱり負けるよな、やっぱりピッチャーのボールに。インパクトはやっぱり、リストワークやからな。こないして打っても、飛べへんやんか。やっぱりここで、こういうリストの、振るボールがポーンとスピンかかるわけやからな。こういう低い、ライナーの打球がいくいうのはな。そんなんもポンとコツでつかむんやで、あんなん。バッティング練習しててもな、あれ? 力入れてへんのにこんなええ打球でこんな飛んでるみたいなな。バッティングいうのはそんなもんやんか。力いっぱい振ったからいうて、一番遠くに飛ばせるわけやないんやからな。そういうのをな、身につけてしもたら、もうこっちのもんや、そんなんな、バッターも。だから余計簡単なってくる、今なんか、難しく打ってるわな」

-いいリストワーク持ってる選手はいそうか

「えっ、1人おったなあ。おーん、野口なあ(笑い)。野口だけやなあ、リストワーク使えて、だから遠くに飛ばせるわなあ。そんな力入れてないで、あれ。そういうの、あんなんやっぱり自分でつかんだんか知らんけど、なあ、できるんよなあ」

-監督はどういうタイミングでつかんだか

「何年目ぐらいて、オレはもう、あれや、大学の時につかんだよ、1年目からあんな打たれへんよ(笑い)。またプロ入って出直しじゃなかなかな、最初から打たれへんやんか」

-野口はそんなに上背はないが

「いや、そんなん関係ない、関係ない、うん。体のデカさとかな、そういうのは関係ないよ」

-小野寺はこのキャンプサードか

「いやいや、他いてなかったからやろ(笑い)。まあ内野でもノック受けさすよ、そらな。あのへんは、ちょっといろんなとこ、できてもええからな。何人かはちょっとなあ、オールマイティの選手もいるからさあ。そらそうやん、やっぱり。何が起きるかわからんからな、シーズンはな」

-ピッチャーは初めて見た選手もいると思うが、気になった選手は

「ピッチャーはもう去年ほとんど見とったからな。去年のキャンプきとったんばっかりやん、ほとんど。まあ1年目のな、あれは知らんよ。茨木と門別か。あとのピッチャーは去年もきとったからな。ある程度は分かってるけど、もう1回球の強さというかな、このクール3日間やから、ストレート投げえって言うたんやけどな。まずは、やっぱストレートやで、そら。それがプッいかんと、変化球も生きてけえへんからな、それは」

-基本的にピッチャーは毎日ブルペンに入るのか 「うん、入る入る、おーん。あの2人以外な。1年目のやつは1日おきに、ウエートやったりな、ウエートの日は入らんとかそういうことは言うとったけど、そんなん、まだかまへんやん。まだ体づくりもやらなあかんわけやからな。でもええ体しとるよな、ほんまに。昔のあれと違うよな、高卒の1年生と」

-コーチ陣はほぼ変わらず。新たに注文は?

「いや、してないしてない。もともとそんなん注文とかつけてないよ」

-今日の朝はアピールしなくてもいいと伝えた

「おーん、そんなん、別に今の自分の姿を見せてくれたらええんよ。そんなんアピール言うたら、やりすぎてしまうからお前、ケガのもとやで。だから今の自分の力はこういうのだっていうのをみせてくれたらいいんよ。1軍の戦力になるには、何が足らんかいうのを、この11月でな、分かればええやんか、選手が。それでオフシーズンで自分なりに強化せなあかん部分とかな、それは何人か1軍キャンプに抜てきする言うたけどな」

-若い子が多いだけに

「それはもうしょうがないやんか。それは人数的にもな。それは刺激にもなるしな、他のもんのな、今いてるやつにも刺激にもなるしな。同じような若いな、2軍の子にも刺激になるしな。まあでも、今年から近なったからな、キャンプも。沖縄やから。いつでもそういう形では呼べるようになったから、それはだいぶ違うよな。今までと」

-原点と話している安芸にチャンピオンフラッグを

「持ってこられたって、そんなん持ってくるの知らんかったよ。写真撮んのもこの2、3日前に聞いたよ」

-ファンも祝福

「おーん、まあな。まだ祝福してもわらんとな。今年は。考えたら、まだ5日、6日しかたってないんやで」

-ビールかけで監督の応援歌を選手が歌った。時代が変わった

「久しぶりに聞いたわ、俺も」

(続けて自ら)

「まあ、まだまだ1軍メンバーも来てないし、2軍の来年な、来年からの戦力の見極めのあれやから。そういう意味ではね、この選手を来年どうしたろうという、そこまではいってないわ。まだ終わったばっかりやしのう。まだそんなお前、いろんな行事とかあるから。そのへんで、余韻に浸りたいよ、それは。せっかく日本一になって、頑張った結果な、まだ余韻を楽しんだんやったらいいけど、そのためにやってるようなもんやから。祝福を受けるようにな、結果を残したわけやから。まだ1週間もたってないんやで、考えたら。来年のこの戦力でってお前、そこまで考えてないよ。はっきり言うて」

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