広島からドラフト1位指名された青学大・常広羽也斗投手(22)が24日、都内のホテルで契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1600万円で仮契約を結んだ。

最速155キロの本格派右腕は緊張の面持ちで、会見に臨んだ。入団までの間には「狙ったところに投げられる確率が低いので」とフォームの調整を行い、さらなる自己研さんに励んでいく。

直球に加え、落差のある140キロ近いフォークが武器の右腕は、20日に決勝戦を終えた明治神宮大会で2試合に登板。今はゆっくりと体を休めている。

大分舞鶴高校初のプロ野球選手となった常広は、“偏差値68”の進学校出身。「野球に全振りできない進学校でも、プロ野球選手になれる」と文武両道を証明した。高校時代はテスト期間中、学校の隣にある同窓会館で夜9時ごろまでこもって勉強。指定校推薦で同大学に進学した。

甲子園出場経験なしも大学4年間でドラフト1位に駆け上がった。その理由に「周りに惑わされずに、自分のやりたいことをやってきた」と常広。それはプロ入り後も同じ。プロの世界はこれまで以上に大勢の目に触れる。より数字で比較される世界に足を踏み入れるが、今までの考え方は継続するつもりだ。

「数字よりも自分の投げたいボールを突き詰めたい」。理想は空振りの取れるストレート。「バットに当たらないストレートを目指している。そのためにフォームはどうするかと考えて練習しています」。来季からチームメートとなる森下暢仁投手(26)や、楽天岸孝之投手(38)のようなイメージだという。「自分のやることをやって、結果数字が出るものだと思う」ときっぱり話した。

同席した担当の高山健一スカウト(52)は「今年良い投手が多い中で即戦力に近い評価。三振の取れるピッチャーなので、早く出てきてほしい」と早速の期待を込めた。(金額は推定)

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