オリックス中嶋聡監督(54)は今季もクローザーにベテラン平野佳を指名した。「メンタルの部分は日本シリーズでもあったように、一番そこは似合うのかなという気はします」。昨季は42試合登板で29セーブを挙げ、防御率1・13の安定感。日米通算250セーブも達成し名球会入りを果たした。メジャーから復帰した21年以来、9回を守り続ける右腕への信頼は厚い。

守護神の条件に挙げるのはメンタルと精度。「9回って一番難しいところだと思うんですよね。抑えて当たり前。10回中、2回失敗したら言われるじゃないですか。すごいことなんですけどね」。侍ジャパン入りした山崎颯や宇田川ら、成長著しい若手も候補に挙がりそうだが、平野佳の壁はまだ高い。中嶋監督は「まだちょっと、精度が足りないですかね。決め球の精度という部分では、まだかなわないかなと思いますけどね」と冷静に分析した。

一方で、登板数や状況によっては“新守護神”も起用する方向。「もちろんずっとずっと(平野佳が)2試合3試合と投げられるわけじゃないと思う。そこに関してはフレキシブルにいかないといけない部分と、いいかげん『俺が行きます』という選手が出てくるんじゃないですか」。ベテランの座をおびやかす存在の台頭にも期待した。【磯綾乃】