結果は残さなあかんよ-。阪神岡田彰布監督(66)が予告通り、高卒2年目門別啓人投手(19)を初の春季キャンプ1軍メンバーに選んだ。昨秋キャンプで左腕の素材にべたぼれ。沖縄・宜野座で秘蔵っ子に英才教育を施すことになる。「今は隠されへんて。隠されへんよ。だったら新聞書くなよ。名前出すなよ(笑い)。隠されへんやん、そんなもん」。糸を引くような直球が魅力。本当は他球団に隠したいところだが、いやでも目立つ。指揮官は苦笑まじりだった。

それでもキャンプが始まれば、岡田監督はシビアだ。無条件に1軍継続というわけではない。11、12日に行われる紅白戦。門別にとって、宜野座に残れるかがかかると問われると「まあ、そうやろな、おーん」と答えた。ポジション争いする選手たちにとって第1の関門。「そこで入れ替えるからな。そのへんがまず第1段階というかな、そこで1回振り分けるというわけやな」。秘蔵っ子といえども、結果を求める考えだ。

初の1軍キャンプを目前にした門別は緊張感と、湧き上がるワクワク感でいっぱいだった。「去年1軍登板を経験して、1軍でスタートしたいという気持ちが強くなって、今回こうやって自分の可能性が高くなる、そういう状況はうれしく思う」。昨年はリーグ優勝決定後に1軍デビューを含む2試合に登板。今季の大ブレークに向け、意欲十分だった。

同じ高卒2年目の茨木も1軍発進。同期右腕の存在は心強い。門別は喜びながらも浮かれる様子はなかった。「無理せず。無理してケガしても自分にとってもチームにとってもつらいので、そのケガだけなくしていけたらいいなと思います」。自分のペースを守りながら、宜野座で隠しきれない能力を見せつける。【磯綾乃】

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