ごちゃごちゃ言わんよ。阪神がまさかの逆転負けで、オープン戦開幕から7連敗を喫した。7戦7敗は50年の2リーグ分立後では球団初。5点リードの8回に4失策から6失点と嫌な負け方だったが、岡田彰布監督(66)は責めることなく余裕の笑み。開幕まで3週間ある。どっしりと選手を見極めながら、徐々にチーム力を高めていく。

   ◇   ◇   ◇

まさかの逆転負けにも、試合後の岡田監督はひょうひょうとしていた。「なあ。初めてやな、俺も。1イニング、4失策って。2アウトからやろ? すごいことが起きるなあ」。止まらなかった失策を責めることなく、どこか余裕の口ぶりだ。

5点リードの8回2死一塁、右翼ファウルゾーンへの飛球を途中出場の前川が落球した。「やってはいけないプレーだった」。猛省の1失策から流れが変わった。2死満塁から今度は遊撃手の小幡が二塁へ悪送球して2失点。さらに2死一、三塁で、中堅フェンス際の飛球を森下が落球して2人の生還を許した。重い時間は続き、同点適時打を許した2死一、二塁、またも小幡がゴロを後逸してこの回6失点目。気づけば勝敗は逆転していた。

オープン戦での1イニング4失策は球団では95年3月5日のオリックス戦(日生)以来。2リーグ分立後では球団初となるオープン戦開幕7戦7敗につながったが、指揮官はどこまでも冷静だった。「前川も久しぶりにライトを守ったけど。森下もセンターを守ってなかったけど、なあ。普通の当たりやけどな」。当たり前のプレーを求めながらもニヤリと笑った。「こんなんなあ、普通は起きひんけどなあ。なんにも言わん方が気が引き締まるんちゃうか。ごちゃごちゃ言わん方が」。まだまだオープン戦。今は静かに選手の自戒を促すだけだ。

2失点につながるプレーとなった森下は「オープン戦でまだ良かったかなとプラスに捉えて、シーズン中に出さないように、練習中にしっかりやっていきたい」と反省。まさかの1イニング2失策の小幡も「相手にしっかり投げること、しっかり反省して次につなげたい。練習あるのみです」と前を向いた。少しずつチームを引き締めて、開幕へチーム力を整える。【磯綾乃】

○…阪神筒井1軍外野守備走塁コーチ(前川、森下の失策について)「やっぱり外野手のエラーっていうのは、勝敗にかかわってくるわけだから。(風もあるが)言い訳にならない。ホームグラウンドだし、しっかりやらせます」

▼阪神がヤクルトに逆転負けで、オープン戦は初戦から7連敗。阪神のオープン戦開幕から7連敗は、14年に初戦に引き分けてから7連敗して以来だが、7戦7敗は50年の2リーグ分立後、球団では初めて。

▼阪神は8回に1イニング4失策。阪神のオープン戦での1イニング4失策は、95年3月5日オリックス戦(日生)の6回に平尾、葛西、萩原、桧山が記録して以来29年ぶり。このときの6回は4失点し、試合も0-6で敗れている。

【関連記事】阪神ニュース一覧