2試合連続9回2死からの逆転サヨナラ勝ちのスパイスに、岡田彰布監督(66)の執念采配があった。

1点を追う最終回。昨年からの第2次政権で初めて出した勝負手は、球界でも異例の4連続代打だった。「9回出し惜しんだってしょうがないからな」。まず1死から送られた野口が、冷静に田口のボールを見極めて四球出塁。続く渡辺は右飛に倒れたが、3人目の原口が左前打でつないだ。そして4人目は、代打坂本。スライダーを打ち返した当たりは三塁へのゴロとなったが、三塁北村拓がファンブル。甲子園が総立ちになる中、続く近本がサヨナラの2点適時打を決めた。

ベンチに残っていた野手は熊谷、豊田の2人だけ。「代打坂本」は、延長戦を見越してのカードだった。「大山ライトの用意させとったよ。原口は残しとかなあかんからな、ファーストで。12回まであるから、2人残しとかなあかんから」。同点止まりなら、最大まだ3イニングある。指揮官の頭にあった就任後初の「右翼大山」プラン。出し惜しみ負けを嫌う指揮官らしい前のめりな采配かつ、1枚も無駄にしない。目まぐるしく変わる戦況を、百戦錬磨の将は冷静に見極めていた。

1点を追う6回2死一、二塁の得点機は、6番島田に代打を送らなかった。「まだ早いなと思ったから、野口も豊田も代打いくの。(森下の降格で)外野が1枚少なくなったからな、そんな無駄遣いできんからな。まだもう1回、チャンスあるかなと思ったんでね」。この温存が劇的勝利を呼ぶ代打攻勢につながった。

先制されれば14試合連続負けから一転、3試合連続逆転勝ち。しかも2試合連続9回2死からとは劇的だ。「最後まで諦めずにやった結果じゃないですかね」と振り返ったが、ただ喜んだだけではない。

「本当はもっと9回裏なしで、勝たないといけない。でも今は、そんな理想的な展開を求めるのは無理なチーム状況だし。とにかく勝てるゲームを勝っていくというか、そっちの方が今は大事かも分からない」

2試合連続、あと1死で負けの試合を勝ちにひっくり返した。貯金3。執念の白星がチームに勢いをもたらす。【磯綾乃】

【動画】阪神劇的逆転サヨナラ勝ち!近本光司が右翼ポトリの2点適時打 ナインは大喜び

【関連記事】阪神ニュース一覧