日本ハム伊藤大海投手(26)が今季2度目の100球未満の完封勝利「マダックス」を達成した。序盤に大量援護を受け、ストライクゾーンで大胆な勝負を展開。前半戦終了後に握りを微修正した直球を軸に最後まで押しきり、94球で西武打線をシャットアウトした。シーズン複数マダックス達成は、球団では58年ぶりの快挙。チームも後半戦初勝利でソフトバンクの優勝マジック点灯を阻止した。
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94球目は高めからカーブをストライクゾーンに落とした。バットが止まった打者を見て、伊藤は勝利を確信した。見逃し三振での完封劇。ホッとした表情を見せた。「前回、点を取ってもらった後、すぐに点を取られて監督より“おしかり”を受けていたので…」。21日ロッテ戦と同じ轍(てつ)は踏まず。「今日は何が何でも最後まで投げる」という気持ちを体現し、昨季を超える8勝目を挙げた。
2回までに打線が大量9点の援護をくれた。特に2回は打者12人で8安打7得点。約30分間の猛攻で「ちょっといったんいいよ、と思いながら」とジョークを交えて回想しながらも「野手のおかげで思い切った投球ができた」と感謝。無駄なボール球を使わず、大胆に勝負ができたことで球数も要せず。6月12日中日戦に続いて今季2度目の100球未満の完封勝利「マダックス」を達成した。
微修正した直球が46日ぶりの快投につながった。「ストレートの握り方をこの1週間で変えた」。SNSなどで楽天早川らを参考にした。変更したのは、親指を曲げ、ボールの縫い目にかける人さし指の中指をくっつけたこと。「(ボールの)上からも下からも結構強めな圧をかけて投げる感覚が今日は良かった」。9回でも150キロ。威力十分の直球を軸にストライクゾーンで勝負を続けられた。
1シーズンで1投手が「マダックス」を複数回達成するのは、日本球界では21年ぶり。球団では前身の東映時代までさかのぼって58年ぶりの快挙だ。チームに後半戦初勝利をもたらし、ソフトバンクの優勝マジック点灯も阻止した。それでも1つだけ悔やむのは「源田さんのヒット」。この日は無四球で、許した2安打はともに源田。抑えていたら…。さらなる快挙は今後の楽しみに取っておく。【木下大輔】
▼新庄監督(94球で完封勝利の伊藤に)「(打線が)ポンポンって点を取って、さあ伊藤君がどういう投球をするかって見ていた。1回から9回までずっと同じ集中力を持って投げてくれた。大人になったな。100球以内で終わってくれて、全てがパーフェクトでしたね」



