阪神大山悠輔内野手(29)は大歓声に包まれ、ゆっくりと歩き始めた。

1点を先制した直後の初回2死二塁。ヤクルト先発サイスニードの初球、高めに入った128キロスライダーを強振し、完璧なフォロースルーを決めた。打球は左翼席中段へ一直線。打った瞬間に確信した1発に、歓喜の六甲おろしが響いた。

「1点取ったら2点、3点と取らないといけない。次の1点と思って打席に入りました」

初回2死三塁から4番佐藤輝が左中間フェンス直撃の適時二塁打を放ち、先制点を奪取。なおも続く好機でフルスイングした。「いい感触で打てた」という一発は18日の中日戦(バンテリンドーム)以来、2試合ぶりの今季12号2ラン。初回の3得点猛攻で一気に流れを引き寄せた。

この日は愛弟子の1軍復帰デーだった。オフの自主トレをともにする小野寺が左手首の靱帯(じんたい)損傷を乗り越え、約2カ月半ぶりに1軍に戻ってきた。今年1月には「小さくなりすぎている。飛ばす力をもう1回引き出してもいいんじゃないか」とアドバイスしていた先輩。お手本のような放物線を描き、後輩の帰還を祝ってみせた。

これで本塁打数はチーム単独トップ。さらに球団8人目の6年連続50打点にも到達した。6回には左前に落として4試合連続マルチ安打も記録。一方で悔しいプレーも忘れない。6回無死一、二塁、二塁走者として木浪の遊撃右への痛烈な当たりにライナーバックしたが、打球はグラブの先を通過。懸命にスタートを切り直すも三塁で封殺され、センターゴロとなった。

「まだまだだと思いますし、チームに貢献できてない部分が多い。もっともっと頑張らないといけない」

チームの5カードぶり勝ち越しにも浮かれた様子は一切ない。

「勝てていない悔しさがあった。まずは勝ち越せたのが一番ですし、勝ち越せたことによってまた明日の試合も大事になってくる。もう一度整理して準備したいと思います」

カード3連勝へ。主砲は勝ってかぶとの緒を締め直した。【村松万里子】

【動画】初球完璧に仕留めた!阪神大山悠輔12号2ラン スタンド中段に突き刺した

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