ネクストブレークは俺たちだ!! 巨人には育成選手が40名在籍(14日現在)している。彼らは支配下登録を勝ち取るため、1軍で活躍するため、日々鍛錬を積んでいる。その中から、2軍戦での登板を重ねる田村朋輝投手(21)、14日に支配下選手契約を締結した笹原操希外野手(21)の2選手を直撃。今季にかける思いや思い描く将来像など、未来のスター候補生たちの現在地に迫った。【取材・構成=水谷京裕】
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その自信は本物だった。今季ここまでの2軍戦で3割台後半の高打率を残す笹原は「(支配下登録への)手応えは正直、ありますね。意識しないようにはしたいですけど。絶対気になっちゃうじゃないですか。誰か編成とかディレクターの人にちょっと呼ばれたら、ワンチャンって思います」。そう笑ってから、わずか数日後-。支配下契約の吉報が届いた。
走攻守3拍子そろったプレースタイルが持ち味だ。「(アピールポイントは)全部です。レギュラーで出るには、守備と走塁はもちろん。外野なんて打たなきゃ出られないじゃないですか。なので、どれかっていうのはないですね」と言葉に力がこもる。
決して順風満帆な野球人生ではなかった。高校は上田西(長野)に進学。高校1年4月のデビュー戦のことを今でも鮮明に覚えている。「高校に入って最初に対戦したのが(井上)温大さんで。打てるだろうと思っていたけど、めちゃくちゃ球速くて。これで高校生ってバケモンだろって」と懐かしんだ。いきなり出はなをくじかれ、1度はプロ入りの夢を諦めかけた。
一筋の光が見えたのは、高校2年の時だった。「1個上(の学年)に高寺望夢さんという阪神に行った方がいて。(プロのスカウトが)高寺さんを見に来ている時に僕も試合に出ていて、『いいね』みたいなことを言ってくれたらしくて、これいけんじゃねと思って」。小さなきっかけが大きな原動力となり、翌年のドラフト会議で育成4位指名を受けるまでの選手に成長した。
勝負と位置づけた4年目のシーズン序盤で、支配下契約を勝ち取った。憧れの選手はカブス鈴木誠也。今でも鈴木のプレー動画を毎日閲覧するほどのマニアぶりで「打ち方がかっこいいじゃないですか」と興奮気味に話す。「肩も強くて本当にかっこいい。ああなりたいなあ」。憧れの大先輩の背中を追いかけるための、1歩目を踏み出した。
◆笹原操希(ささはら・みさき)2004年(平16)2月9日生まれ、長野県長野市出身。上田西では3年春に甲子園出場。21年育成ドラフト4位で巨人に入団。今季はここまで2軍戦で14試合に出場。打率3割7分5厘、7打点、5盗塁の成績を残し、14日に支配下契約を締結。憧れの選手はカブス鈴木誠也。今季推定年俸420万円。背番号69。180センチ、86キロ。右投げ右打ち。
【育成選手に関する規約メモ(抜粋)】
◆最低年俸は240万円、契約の際に支払われる支度金の標準額は300万円。
◆2軍戦(ジュニア・ペナントレース)に出場することができるのは、1球団1試合5名以内に限られる。また、フレッシュオールスターゲーム、ファーム日本選手権試合、1、2軍の非公式試合(春季オープン戦、春季教育リーグ、秋季教育リーグ、チャレンジマッチなど)への出場と練習に参加可能。
◆育成選手として入団後、3年間(3シーズン)育成選手として在籍した者が、当該球団から翌年度の支配下選手として選手契約を締結されない場合には、11月末日をもって自動的に自由契約選手となる。
◆支配下選手が自由契約選手となった後に、育成選手として自球団または他球団と契約した者が、翌年度支配下選手として契約されない場合には、自由契約選手となることができる。
◆球団は、保有する育成選手との契約を育成期間中または保留期間中に、他球団に譲渡することができる。ただし、譲渡期限は翌年度の7月末日まで。
※日本プロ野球選手会「日本プロフェッショナル野球協約2025」、「日本プロ野球育成選手に関する規約2014年度版」より
【巨人の育成選手事情】
◆14日時点での支配下選手は64名。同一年度中に70名を超える選手を支配下選手にすることはできないため、残りの支配下枠は「6」となっている。



