2位日本ハムが繰り出した勝負手は実らず、奇跡の逆転Vが遠のく痛恨の黒星を喫した。
新庄剛志監督(53)がプロ初の中4日で投入したエース伊藤大海投手(28)が7回2失点と粘投も、海賊打線がわずか3安打と沈黙した。今季11度目の0封負けで首位ソフトバンクとのゲーム差は詰められず、2・5のまま。まだ9年ぶりのリーグ制覇の可能性はあるが、残りは7試合。崖っぷちに立たされた。
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試合が終わった瞬間、新庄監督はグラウンドにくるりと背を向け、すぐにベンチ裏へ引き揚げた。何が何でも勝って、奇跡の逆転優勝への可能性を高めたかった試合。そのためにエース伊藤をプロ入り後初めて中4日で先発させた。結果は0-2。重い、重い黒星。試合後、指揮官の取材対応はなかった。球団を通じて発信されたコメントは「あした! あした!」。それだけだった。
伊藤は粘投した。前回先発した17日楽天戦では左足つま先に打球直撃のアクシデントもありながら7回99球。この日も6回までに92球を投げていたが、新庄監督と話し合って7回も続投して103球、2失点にまとめた。ハイクオリティースタート(7回以上、自責点2以下)。普段なら十分に先発の役目は果たしたという内容だが、2回にロッテ・ソトに浴びた先制弾などの2失点は結果的に痛かった。
エースを援護したかった“海賊打線”も、まさかの沈黙だった。8月14日の対戦では4回途中でKOしていた河村から先頭打者が出塁できたのは7回の1イニングだけ。本拠地は大きく盛り上がったが、後続3人が凡退で反撃ムードは高められなかった。テンポよく投げ込む伊藤と同い年の道産子右腕に7回まで2安打無得点と抑え込まれ、相手救援陣も崩すことができなかった。
勝負手を打って、痛恨の黒星。この結果は悔やんでも、ひっくり返らない。日本ハムが9年ぶりのリーグ優勝をたぐり寄せるために、できる最大限の結果は残り7試合を勝ち続けること。だからこそ、新庄監督は「あした! あした!」と前だけを見るコメントを発信した。23日はレギュラーシーズンの本拠地最終戦。超満員必至のエスコンフィールドで、みんなの夢をつなぎたい。【木下大輔】



