<西武8-9ロッテ>◇2日◇西武ドーム

 西武が精も根も尽きる手痛い黒星を喫した。午後11時をすぎた延長12回表、7人目の投手山本淳(27)が力尽きた。連続四球と安打で1死満塁。3番大松の打球が二遊間を抜けると、三塁ベンチの渡辺監督は腕組みで唇をかんだ。

 試合展開は主軸打者の奮起で2度も勝利を方向づけていた。同点の6回は4番中村の1発。先頭打席でロッテ渡辺俊の内角球を左翼席に運んだ。両リーグ単独トップの25号。1点を追う7回2死二塁では3番中島が右翼席へ逆転2ランを放った。

 今季3度目の「N・N」アベック弾。しかし、いずれもチームの勝利に結びついていないのが、西武の現状を象徴する。中継ぎの柱がいない。先発西口を救援した左腕三井、岩崎がリードを守りきれず延長突入となった。

 パ・リーグ史上最長の試合時間を聞いた渡辺監督は怒りを通り越して口元を緩めた。「明日は(仙台で)移動ゲーム。早く帰って明日に備えたい」。借金4。長い西武ドームの階段を上る足取りは重かった。

 [2009年7月3日9時2分

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