<日本ハム3-6楽天>◇7日◇札幌ドーム

 追悼の思いが詰まった打球が、左中間スタンドで弾んだ。巨人時代に木村拓也内野守備走塁コーチ(享年37)とともに戦った日本ハム二岡智宏内野手(33)が、5回無死一塁から2号2ランを放った。「バットのちょっと先だったけど、うまく持っていけた」。得点を奪えずフラストレーションがたまっていた地元ファンに、スカッとする1発を届けた。

 試合前に聞いた訃報(ふほう)。木村拓コーチとは3年間、同じユニホームを着て戦った。チームメートとなった06年、2年連続Bクラスとなる4位と落ち込んだ。「拓さんが巨人に入ったときは強くないときで、苦労した分、余計に一緒に戦ったという気持ちが強いです」としんみり振り返る。打撃が不調に陥ると、食事に誘ってくれることも多かった。

 チームは3連敗で早くも借金は8。チーム状況は、その時と同じように苦しい。「やるべきことはやっているんで…。どんな形であれ、勝つことが一番の薬ですね」。先輩と味わった苦い経験を、この苦境を脱する糧とする。

 [2010年4月8日11時28分

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