<阪神5-0広島>◇20日◇甲子園

 広島野村謙二郎監督(43)が怒った。阪神戦で打っては拙攻、投げては先発斉藤悠葵(22)が、4回に狩野に3ランを浴びるなど金本抜きの阪神打線に6回5失点で3敗目。特に斉藤の投球には「考えて野球をやらないといけない」とダメ出しした。連勝は3で止まり、阪神戦は3連敗となった。指揮官の怒りに発奮し、今日こそスカッと勝つ。

 表情こそ変えないものの、指揮官は明らかに怒っていた。試合後、報道陣に囲まれると、自ら試合のポイントについて語り始めた。矛先を向けたのは、6回5失点と打ち込まれた先発斉藤だった。

 野村監督

 やはり4点取られた4回の場面。(2死三塁で)ブラゼルを歩かせた。彼は7本の本塁打を打っているが、もし本塁打されても2点止まり。それを(カウント)1-3から明らかなボール球で…。この四球でイヤな予感がしました。せっかくそこまでゼロに抑えてきたのに、もったいない。

 ブラゼルを歩かせ2死一、三塁となり、続く桜井に三遊間を割られて先制点を許すと、さらに8番狩野には中堅左へ3ランをたたき込まれた。最悪の形で大量失点。そこへ至る配球の過程に、明確な意図を見いだせないのが腹立たしかった。阪神打線からは、金本が外れていた。打線の重量感は落ちていたが、それでも打ち込まれた。

 野村監督

 どういうミーティングをしているのか…攻めにいったのかどうなのか、考えが分からない。キャッチャーとの意思の疎通はどうなのか。今日はやられたが、最近のウチの打線なら、2点差くらいならなんとかできる。点を取られても、最少失点で切り抜けるためにどうすべきか考えなくては。ただ強い球を投げればいいのではなく、瞬時に(どう投げるべきか)計算しなくてはいけない。

 指揮官はダメ出しまでして若き左腕の奮起をうながした。大野ヘッド兼投手コーチも「ブラゼルには攻めていってほしかった。斉藤は攻めるべきところと、慎重にいくべきところが逆だ」と嘆いた。

 打線も阪神下柳の術中にはまり、8安打しながら、再三のチャンスを得点に結びつけられなかった。野村監督も「あれだけヒットを打って…。早い段階でダラダラしてたら(下柳に)やられるよ、と指示していたんだが」と、ため息をついた。これで対阪神は3連敗。直前の中日戦を3タテした勢いも止められ、連勝は3でストップ。仕切り直して、再び前を向くしかない。【高垣誠】

 [2010年4月21日11時30分

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