<巨人5-2ソフトバンク>◇27日◇東京ドーム
2年ぶりの快感をかみしめるように、巨人高橋由伸外野手(35)はダイヤモンドを1周した。08年4月15日中日戦以来の1試合2発。大歓声を全身に浴びながら心の底から笑い、仲間とハイタッチを交わした。「これ以上ない。最高です」。込み上げてくる喜びを、勝利に沸くファンに届けた。
2発とも効果的だった。2点リードの3回、小椋の高めのスライダーを3号ソロ。5回には高めのチェンジアップを左中間席に運んだ。1回に3点を先制したが、追加点は高橋の2発のみ。1度つかんだ試合の主導権を相手に渡さなかった。「(2本目は)何とかバットに当てようと。ギリギリ入ってくれたね」。執念を込めた分だけ、打球は加速した。
1軍のグラウンドに立てる喜びを胸に、球場に向かう。09年は1試合のみの出場。辺りがまだ暗がりの早朝に起床し、川崎市のジャイアンツ球場でリハビリを続けた。そして今、「試合に出続けられることがうれしい」と野球を始めたころに原点回帰。孤独な闘いに打ち勝った背番号「24」は、照明に照らされたグラウンドで躍動する。
不安の中でのスタートにも、周囲への気配りは変わらなかった。開幕前、あるイベントで沖縄自主トレをともにする隠善に会った。「昨日打ってたね。調子はどうなんだ」。自身も開幕を前に重圧と戦っていたが、後輩の2軍での活躍を新聞でチェック。「頑張れよ」と激励を忘れなかった。「由伸さんも大変な時期なのに。よしっ、頑張るぞって思いました」(隠善)。さりげない言葉が、後輩に力に与えていた。
2度グータッチで迎えた原監督は「2発?
できますよ、彼は。コンディションさえ良ければ、トップクラスの選手ですから」と小笠原不在の3番を埋める活躍に目を細めた。「(小笠原に)早く戻ってきてもらわないと困る。早く帰ってきてほしいですね」。高橋の仲間を思う姿は、お立ち台でも変わらなかった。【久保賢吾】
[2010年5月28日8時19分
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