<阪神6-2オリックス>◇4日◇甲子園

 オリックス岡田彰布監督(52)が虎将だった08年9月29日以来、613日ぶりの甲子園タクトで完敗した。先発小松ら4投手で15安打を浴び、毎回走者を出してイライラが募った。「完敗やんか、あんだけ打たれたら。こっちは打てへんし」。当時と違うユニホームをまとい三塁ベンチから古巣の圧勝を認めた。オリックスは甲子園5連敗となった。

 負けてもただで済まないのが岡田流だ。「ファースト、5点差で走ってもうたな。アレ、大変なことなるよ」。指摘したのは0-5の7回裏、1死一、三塁で阪神の代走藤川俊が鳥谷の打席の際に“二盗”を敢行したシーン。公式記録員も盗塁を記録しなかった。会見後、私服に着替えても指揮官の口撃は続いた。「やってしまいましたな。こっちは負けを認めてるのに。大変なことをやってしまいました。明日も試合あるのに。教育やろな、教育」。怒り度数の高さを物語る、標準語モードで古巣をけん制した。

 オリックスは2日中日戦で0-7から大逆転勝ちしており、真弓阪神が石橋をたたいて渡るのも無理はない。ただ、メジャーには試合が決まった終盤で盗塁などを試みるのは、紳士的ではないという不文律があり、破れば、死球など報復行為もある。あえてこの盗塁を持ち出したため、5日の関西ダービー最終戦は、がぜん注目度が上がった。【押谷謙爾】

 [2010年6月5日11時17分

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