<オリックス2-9巨人>◇9日◇京セラドーム大阪
1軍初登板を終えた初々しい21歳を、巨人原監督は固い握手で迎えた。先発は育成から支配下登録されたばかりの黄志龍(ファン・ツーロン)。4回途中で降板させた台湾出身右腕を「今日のような投球をすれば必ず勝ち星が付いてくる」と、心からねぎらった。
早めの継投の裏には、指揮官の冷静な判断があった。黄は3回まで2安打無失点。最速149キロの直球を軸に、好調オリックス打線を牛耳った。だが、ふた回り目に入った4回、制球が乱れ始めた。安打と四球で1死一、二塁。北川に左翼線へ適時二塁打を浴び1点を失うと、迷いはなかった。「完投させようというわけじゃなかった。(中継ぎの)久保にいいバトンを渡してくれた」。
この時点でリードは4点。あとアウト5つで育成出身初の初登板初勝利もかかっていたが、代え時を見極めた。「強い気持ちの、いい戦力が加わりました。(今後の起用法は)分からないが、チーム内に彼の存在がプラスに働いている」と目を細めた。誰もが緊張する1軍初舞台。60球での交代は、親心にも映った。
信頼できる中継ぎ陣の存在も大きかった。2番手で左腕星野をワンポイントで用い、4回2死から7回まで好調久保を投入。計5投手で逃げ切った。「ベンチには8人のリリーバーがいた。全員で戦うということ」。貯金を今季最多の15とし、交流戦逆転優勝に望みをつなぐ1勝を満足そうに振り返った。【古川真弥】
[2010年6月10日9時44分
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