<楽天4-1中日>◇9日◇Kスタ宮城
楽天打線は4回、中日先発バルデスに実に53球を投げさせ、3安打で4点を奪い快勝した。中村紀が四球を選び、2死からルイーズと草野が連続四球、さらに単打、二塁打。「特別な指示は出していない。各自が狙いを絞って、自分の打撃をしてくれた」とマーティー・ブラウン監督(47)はねぎらったが、中日のお株を奪ったそつない攻撃の陰の殊勲者は、紛れもなく監督自身だった。
12球団中、最も試合前練習に姿を見せない監督は疑う余地なくブラウン監督だ。もちろん職場放棄でない。高校まで投手。球場に隣接する室内練習場にこもり、自ら打撃投手を買って出て野手を直接指導する。時間は決めない。得意のフレーズ「イイヨ!」が出るまで振らせる。
4点に絡んだ中村紀、ルイーズ、草野、嶋、渡辺直はブラウン門下生で、適時打を放った嶋と渡辺直は常連中の常連だ。「ノリ、ルイーズの四球が大きい。スクーター(小回りがきく渡辺直の愛称)は一生懸命練習して、いい影響が出ている。嶋は何番を打っても、打撃スタイルが変わらないのがいいね」と褒めた。選手とともに悩み、汗を流す。就任から貫く指導哲学が結実し、交流戦初優勝が視野に入っている。
先制適時打の嶋はカウント2-0と追い込まれてから変化球を見極め平行カウントまで戻し、外角直球に負けずに打ち返した。室内でブラウン監督がかけた「嶋、オレはベンチから見るお前のフルスイングが好きなんだ。中途半端なスイングを見ると、悲しくなってしまうんだ」との言葉を、そのまま実践した打撃だった。【宮下敬至】
[2010年6月10日11時53分
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