<巨人5-2横浜>◇14日◇東京ドーム
巨人原辰徳監督(52)の「史上最速ゲキ」で首位を守った。1回、試合開始わずか3分でマウンド上の先発福田聡志投手(26)に歩み寄り、険しい表情で“カツ”。福田もそれに応えて横浜打線を5安打無失点に抑えた。試合前にマンツーマン指導した坂本勇人内野手(21)は、ビデオ判定による21号先頭打者弾を放つなど、指揮官の気合がナインに浸透した2連勝だった。
志半ばでマウンドを降りた投手たちが、次々と原監督に呼ばれた。無失点とはいえ、5回までしか投げられなかった先発福田。5点リードの9回に制球難から失点した星野。試合は続いていたが、一塁側ベンチの監督席の横で説教を受けた。首位を守っても、2人を話題にする原監督は厳しかった。「彼らはジャイアンツを引っ張っていかないといけない。後からより、その場で言う必要がある」と理由は明快だった。
ただ、勝利のために。指揮官の意図は早々に現れた。試合開始から、わずか3分。小走りでマウンドに向かった。横浜の先頭内川にいきなりの四球を与え、続く石川にも2球ボールを続けた福田を叱咤(しった)するためだった。「守っている人がいるんだ。周りを信じて投げなさい」。カッと両目を開き、右腕を励ました。監督通算7年目で、おそらく最速のマウンド行き。集まった内野陣も含め、一気に空気が締まった。
後続を抑えた福田に、打線が応えた。1回、坂本が阿斗里から先制21号ソロ。今季3本目の先頭打者アーチにも、ゲキが生かされていた。試合前、坂本はチーム練習に参加せず、原監督からマンツーマンの打撃指導を受けた。前カードでは1番を外されたが「構えのことなどアドバイスいただいた。自分じゃ分からないことがあるのでプラスになります」と結果で応えた。
中盤はラミレス、小笠原がアーチそろい踏み。最後は6回、エドガーが「投手陣がしっかり投げていた。貢献できて良かった」と2ランで締めた。このリードを中継ぎ陣がつないだ。長打攻勢と継投。巨人の強さを生かした勝利の伏線は、ほかならぬ原監督が張った。
首脳陣の言葉に選手が応える。そのことを象徴する“事件”があった。前カードのヤクルト戦。アップ中に、エドガーが白坂トレーニングコーチに注意を受けた。グラウンドにいた知り合いとおしゃべりを続けていたからだった。「集中してやりなさい」と言われ、最初は納得できなかった。だが、「白坂さんは僕のことを考えて言ってくれた。本当にありがたい」と後になって自ら頭を下げた。新加入の助っ人も関係ない。必要とあれば厳しいことも言う雰囲気があり、それを選手も受け入れている。
3連敗後に連勝した原監督は「ファンの人も、たくさんお見えになる」と3連勝を約束。変わらぬ姿勢で白星を奪う。【古川真弥】
[2010年8月15日8時39分
紙面から]ソーシャルブックマーク



