<中日9-3広島>◇31日◇ナゴヤドーム

 これぞ、オレ流のムチだ-。中日落合博満監督(56)が圧勝した試合後、怒りをあらわにした。2点をリードされた4回、荒木雅博内野手(32)の逆転タイムリー三塁打で逆転すると、その後もつながりのある攻撃で17安打で9点を奪った。これで2位巨人に1・5ゲーム差。だが、攻撃のミスや終盤のリリーフ陣のもたつきが不満だったのか、指揮官は「緊迫感がない!」と、不機嫌そのものだった。

 大勝したにもかかわらず、落合監督は不機嫌そのものだった。試合後、会見場にやってくると、にこりともせず言い放った。「緊迫感がない!

 あと23試合、優勝争いしているチームがやる試合じゃない!」。激しい優勝争いの中、わずかな緩みも見逃さない“オレ流のムチ”だった。

 勝因は打線の奮起だった。2点をリードされた4回1死満塁、堂上直の犠飛で1点を返すと、さらに2死満塁として荒木が打席に立った。「四球でもいいから後ろにつなぐ気持ちだった」。広島先発篠田の直球をたたいた打球は右中間を真っ二つに破った。逆転のタイムリー三塁打。決定力不足で指揮官を嘆かせていた打線がつながりを見せた。

 意地を見せるべき試合だった。29日横浜戦(横浜)では10安打を放ちながら、1点止まり。好投の先発中田賢を援護できず、最下位チームに負け越した。試合後、落合監督は痛烈なジョークで打線を嘆いた。「入れ替えるんだったら全員、入れ替えたいよ。アメリカのオールスターを連れてくる。そしたら点取れるだろ」。前日には主力は休養日だったが、不振の5番ブランコに練習参加を命じた。さらに、この日は森野を4番から3番に戻し、和田を4番に据えた。

 すると、この日はブランコが来日2年目で初の4安打を放つなど、おもしろいように打線がつながった。特に4回の攻撃は1戦必勝の執念が感じられた。左足を痛めている和田が三塁へのゴロに激走し、ブランコがバットを折りながらも中前に落とした。谷繁が粘った末に四球を選んだ。泥臭くつくった満塁のチャンスが逆転に結びついた。

 ただ、それでも首位阪神との2・5ゲーム差をひっくり返し、巨人も振り切って優勝するためには、満足などしていられない。

 「勝つのが一番だけど、やることをちゃんとやらなきゃいけない。直倫にはスタートのことなどを話したし、荒木もいいところで打ったけど、バントをミスしているわけだから」。

 試合後、辻総合コーチが落合監督の怒りを代弁した。6回には殊勲打の荒木がバント失敗。7回には二塁走者・堂上直の走塁が悪く、本塁で憤死した。大勝の裏で出た小さなミスを見過ごさないのも常勝軍団のおきて。残り23試合、勝利の余韻に浸る間もなく、突き進む。【鈴木忠平】

 [2010年9月1日11時1分

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