<西武5-1阪神>◇20日◇西武ドーム

 ツヨシよ、踏ん張れ!!

 阪神西岡剛内野手(28)に不安要素が芽生えた。8回無死一塁。遊撃へのゴロを放ち、併殺コースになった。必死でピッチを上げようとしたが、足を引きずるように一塁ベースへ。開幕から続けてきた、前のめりで一塁に駆け込む姿を見せられず、アウトになった。

 明らかに“異変”が生じていた。4回の守備。大崎の強烈なゴロを倒れながら捕ろうとした後だ。左足ふくらはぎを気にするしぐさを見せていた。6回に遊撃へのゴロを放った際も永江がはじいたが全力で走れず、セーフをもぎ取れなかった。

 試合後、西岡の左足について問われた和田監督は「試合に出ているから、そんなことは言えない」と話したが、ある首脳陣は「張りが出ている。でも、試合に出ているからな。人工芝の球場だから」と軽症を強調した。脚部に張りが生じている模様で、この日はフル出場したが正念場だ。

 開幕から不動の1番打者としてチームを率先して引っ張ってきた。オープン戦から凡打でも倒れ込むように一塁ベースを目指し、周囲に闘争心を示してきた。開幕前には「凡打で一塁まで『ああ…』と思いながら走っていますから、力を抜きたい部分ではあるんですけどね。手を抜かず、最後までやりきることを意識しています」と誓っていた。それほどまでにこだわってきた全力疾走が消えた。

 試合後にチームは埼玉・所沢から千葉・海浜幕張にバスで長時間移動した。西岡は本隊から離れた。ただ、西武ドーム名物の長い階段は労せずに上った。明日22日からはかつての本拠地QVCマリンで古巣ロッテ2連戦を控えており、体調管理に最善を尽くす。長丁場のシーズン、乗り越えた先に必ずや光がある。【酒井俊作】