DeNA中畑清監督(60)が、ドラフト2位で指名した法大・石田健大投手(21)に丸刈り指令を出した。25日、神宮球場で行われた東京6大学リーグ、法大-東大戦を視察。先発石田は6回6安打2失点で今季初勝利ながらも、髪形を気にしながら投げ込む姿に中畑監督は活を入れた。試合後に報道陣から伝え聞いた石田は、プロ入り前の丸刈り実行を決意していた。

 中畑監督は、石田が投球後にするしぐさが気にいらなかった。1球投げるたびに、前髪を指でかきわける姿に「勝負の場面で髪形を気にしているのは気にくわない。ジャニーズじゃないんだから。まずは丸刈りにするところからだな」と異例の初指令を出した。ドラフト指名からたった2日後。報道陣を通じて、ルーキー育成が始まった。

 期待しているからこそ、厳しかった。既に来春キャンプは1軍スタートを決めており、先発ローテーション候補に挙げている。監督就任後、ドラフト指名した選手の試合を観戦したのは初めて。ただ、石田はチームの不調もあり、この日が今季8度目の登板で初勝利と本調子ではない。だからこそ「よみがえるには外見から変えないといけない。丸刈りがスタート。イメチェンしてからローテーション入りの順番だな」とメッセージを投げかけた。

 試合後、報道陣から伝え聞いた石田は即答した。「はい、します。監督が言ってくれたので丸めたいと思います」。今節の東大戦で大学野球に区切りがつき、プロ入りへ向けたトレーニング開始の前に“断髪式”を予定している。

 ドラフト1位の151キロ右腕、亜大・山崎康晃投手(22)は丸刈り。中畑監督は、前日24日の指名あいさつで「ハマのお坊さん」と名付けた。一方、石田は、目つきが鋭いことから「ハマのオオカミ」だった。これも、たった1日で変更となりそうだ。「左右のお坊さん、だな」。2人の丸刈りルーキーが先発ローテに入って活躍すれば、新たなチームの名物になりそうだ。【細江純平】