ようこそ、たっちゃん! 侍ジャパンに加わったラーズ・ヌートバー外野手(25)は、ほおが緩みっぱなしだった。ミーティングから、試合前の練習とセレモニーまで。人懐っこいスマイルを崩さなかった。理由は、新たなチームメートたちの心遣いにあった。

「あれは何?」

試合前のベンチ裏。栗山監督はじめ、全員で円になった。そこで佐々木が着ていたTシャツが目に留まった。日米両国旗に2本のバットがクロスするイラストに「たっちゃん」と添えられていた。それが、自分の新たなニックネームと知って驚いた。母方の祖父達治さんから「タツジ」がミドルネーム。「最初は緊張してたけど、おかげで気が楽になったよ」。練習では選手に首脳陣も着用。自らも身に着け体を動かした。

日系メジャーリーガーとして初の侍ジャパン入り。10歳の頃「将来、日本代表になる」と言った夢がかなった。「最高です。胸にジャパンの文字。誇りに思う」。セレモニーで名前を呼ばれグラウンドに姿を現すと、歓声が起きた。「みんな僕を知ってくれている。光栄です」と喜んだ。

もちろん、喜びに浸るばかりじゃない。プレーヤーとしての構えはできている。中堅、右翼の両方を守る可能性がある。栗山監督に聞かれ「どちらもOK。準備はしています」と即答した。打撃の状態も「100%に近いです。オフも準備してきました」と力強かった。この日はグラウンドで軽くアップすると、ベンチ裏に下がり、大谷とともに軽く打撃練習。「すごいスイング」と目を丸くした。試合も一緒にベンチで見届けた。

時差ぼけを問われ「アドレナリンが出てる」。ケガで出場を辞退したカブス鈴木とも連絡を取り合い、日本語のフレーズを学んだ。ローマ字で君が代の練習もしてきた。世界一へ用意はできている。【古川真弥】

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