プロボクシングで50戦無敗の5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(41=米国)が17日に都内で会見し、2019年に復帰戦を行うことを発表した。

メイウェザーは会見の最後に、15日に東京・お台場で開かれたイベントで再会した6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(39=フィリピン)との15年5月に判定勝ちして以来の再戦について、あらためて触れ「日本でマニーとの試合があるかも知れないということで、それは今、詰めている状態」と言及した。ただ、具体的なことは明言しなかった。

メイウェザーとパッキャオの試合は、2015年5月2日にWBA、WBC、WBO世界ウエルター級王座統一戦として行われ、WBA、WBC王者メイウェザーが、WBO王者パッキャオに12回3-0の判定で勝ち、王座を統一した。

両者の対戦は、パッキャオがウエルター級に階級を上げた09年以降、何度もうわさされ、9年越しで実現。ファイトマネーの合計が330億円以上、総収入が4億2000万~4億4000ドル(約504億~528億円)とも言われる、史上空前のビッグマッチとなった。試合は序盤からパッキャオがプレッシャーをかけたが、次第にメイウェザーがフットワークと巧みな防御技術でかわしはじめ、中盤以降、ペースを握った。ジャッジの採点は118-110が1人、116-112が2人とメイウェザーの快勝だった。ただパッキャオは、試合の3週間前に練習中に右肩を負傷しながら、それを公表せずにリングに立っていた。試合前には痛み止めの注射を求めたが、ネバダ州のボクシング認証団体はけがのことを知らされていなかったため認めず、第4ラウンドに悪化させた。

試合後は、ひたすら足を使い、カウンター狙いに終始したメイウェザーの戦い方に批判が集まった。一方、パッキャオも、右肩の負傷の件を隠して戦い、負けたことで損害を被ったなどとし米ネバダ州ラスベガスの住民から500ドル(約6億円)以上の損害賠償を求めて集団訴訟を起こされる騒動となった。パッキャオは5月6日に右肩の手術を受けた。

メイウェザーは試合後、パッキャオと1年後に再戦する意思を示していたが、5月7日にケーブルテレビ大手ショータイムのインタビューに「気が変わった。現時点ではノーだ。彼が痛々しい敗者で臆病者だからだ」と再戦する気はないと強調。パッキャオの右肩の故障が試合に影響したかについて「絶対にない。彼は左右両方とも速くて強いパンチを打っていた」と否定的な見解を示していた。

メイウェザーは最後に「日本全体にとにかくありがとうと言いたい。世界展開は自分の夢なので、感謝の気持ちでいっぱい」などと話した。【村上幸将】