レスラーになって記念すべき日を勝利で飾った。94年のデビューから1万日となった菊タロー(44)がSUSHIのタッグで、リッキー・フジ、レイパロマ組と対戦。シャイニングウィザードを豪快に決め、片エビ固めで勝利した。

試合中に言葉で相手を挑発したり、待ったをかけたり、逃げ回ったり…。たまにふざけたシーンも見られるが「1万日続くとは思わなかった。試合をさせてくれた天龍さんには感謝している」と語った。

菊タローとしては05年からだが、それ以前も大阪プロレスやDDTなどさまざまな団体に所属し、出場経験も豊富だ。激しいパフォーマンスこそないものの、マスク姿で、軽快なトークと、コミカルな動きでファンを魅了してきた。そんな菊タローの夢はWWE参戦。16年に渡米し、日本との橋渡し役をしながら、活動を続けてきた。多くの選手たちの海外進出を見てあこがれ、自らも海を渡った。今年4月に一時帰国したが、コロナ禍もあって再渡米ができない状況にあるという。「まだWWEでちゃんと働くという夢は捨てていない」と力強く語る。

帰国して所属がない身ながら、さまざまな団体に声をかけてもらい、リングに上がることができている。もちろん1番は天龍プロジェクト。「天龍さんからもいろんな言葉をもらった。何気ない一言で気付くことがあった。これからはそれを後輩たちに伝えていきたい」。最後は感謝する天龍の「エイエイオー」のモノマネで締めた。「(本人の)前でやるのは初めてかも」。解説を務めていた天龍からは「出入り禁止だよ」と一蹴された。プロレスラー1万日目を終えた菊タローは、夢に向かってまた新たなスタートを切る。【松熊洋介】