「ボーンソルジャー」が半年間王座に君臨したジュニアヘビーの顔を撃ち落とした。

第7試合、IWGPジュニアヘビー級選手権試合で、挑戦者の石森太二(39)が、4度目の防衛を目指す王者エル・デスペラードに挑戦。14分40秒、ボーンロックで締め上げてタップアウトを奪い、21年1月以来ぶり3度目の戴冠を果たした。

リスペクトを持って臨んだ一戦だった。前哨戦から火花を散らしあった好敵手。前日4月30日の公開調印式では「(デスペラードは)本当に俺にないものをすべて兼ね備えたチャンピオン。過去の対戦を見ても、俺が負け越している」と、称賛の言葉を惜しまなかった。

それでも「墓穴は掘らない。絶対に隙を見せない」と、自身がミスをしなければ勝てるという自信があった。序盤から、コブラクラッチと首4の字固めの複合技やアームブリーカー、ショルダーブリーカーなど、多彩な関節技を披露。高い集中力で、王者の関節技の反撃を潜り抜け、最後は必殺のボーンロックでギブアップさせてみせた。

大事そうにベルトを肩にかけた石森は「これからの俺を見ろ。俺がジュニアの強さとすごさを見せつけてやる!」と宣言した。163センチと小柄ながら、そのスピードと関節技は新日本でもトップクラス。不惑を目前に円熟味を増した新王者が、新たなジュニア政権を築き上げていく。