ボクシングWBA世界バンタム級4位増田陸(28=帝拳)が国内外で注目される“侍対決”を制し、世界挑戦権をゲットする。15日、横浜・BUNTAIで同級1位の元5階級制覇王者ノニト・ドネア(43=フィリピン)との同級挑戦者決定戦を控える。13日には横浜市のホテルで会見に出席。増田は左ストレート、ドネアは左フックという一撃で仕留める「刀」を持つ。トリプル世界戦を抑え、異例のメイン抜てきとなった両者がお互いのパンチ力に警戒感を強め、注目カードの機運は一気に高まった。
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異色の光景だった。増田はドネアとともに刀を抜くポーズを取って写真撮影に応じた。フィリピンの民族衣装を羽織ったドネアの足元はおしゃれなげた。侍同士の静けさが漂った。増田は「非常にコンディションが良さそうで、楽しみな気持ちが増した。自分のやることに集中するだけ」と静かに燃えた。
増田は3日の公開練習時に自宅に約400年前の室町時代に製作された日本刀を1本所持していると明かし「真剣の切り合いみたいな試合になる」とドネア戦をイメージ。一方、侍の精神に造詣が深いドネアは7日の来日時に「武士道」と記したTシャツを着用し「(宮本)武蔵と(佐々木)小次郎の戦いだね」と“令和の巌流島決戦”と表現し、お互いに侍魂を表現していた。
両者とも「刀」となる武器を持つ。左フックが得意なドネアから「彼はとんでもない左のパンチを持つ危険な選手。お互いがベストで戦った時、どんなものが生まれるのか。楽しみにしている」と言われると、左ストレートが武器の増田は表情を引き締めた。
「ドネア選手のパンチを1発もらうとやばいなと思う。パンチ力だけでなく、タイミングも気をつけ、被弾しないように試合を進めていきたい」
2人の警戒ムード同様、国内外から好カードとして注目を浴びる。トリプル世界戦を抑えてメインに抜てき。海外のブックメーカー(賭け屋)のオッズ、英大手ウィリアムヒルでは増田の勝利に1・44倍、ドネアの勝利は2・75倍。戦前予想は優位となる増田は「メインの試合なのでドネア選手、興行を決めてくださった方に感謝の気持ちを持ち、自分が良いボクシングをして世界挑戦できることをアピールしたい」と必勝を誓っていた。【藤中栄二】

