大相撲の横綱鶴竜(32=井筒)が九州場所(12日初日、福岡国際センター)を休場することが8日、決まった。師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)によると、7月の名古屋場所で負った右足首痛に加え、数日前から腰痛を併発。この日「腰部挫傷、右足根骨剥離骨折後により約3週間の治療を要する見込み」と診断され、今場所は全休する。休場は4場所連続9度目で、今年は5度目となる。5場所目を迎える4横綱時代だが、今場所も全員皆勤は実現しない。

 10月の秋巡業では、元気な姿を見せていた。初日から参加すると、新小結の阿武咲や平幕の朝乃山、正代ら勢いのある若手を相手に稽古してきた。巡業最終日には、出場に関して問われると「もちろん」と即答。福岡入り後に行った、時津風部屋での出稽古では「普通にできる」と好感触をつかんでいた。

 しかし、実際は回復が思わしくなく、6日から稽古ができていなかった。井筒親方は「稽古の貯金が足りず、焦ってやっていた。今の段階で3日間まわしをつけられない状況で出場するのはかえって無責任。本人もじくじたる思いだと思う」と話した。

 次に出場する場所で進退を懸けるとしており、同親方は「(来年の)初場所に向かって頑張りたい。最後の場所のような気持ちで臨みたい」と説明した。昨年優勝した縁起の良い場所での復活はかなわなかった。