暴力問題で動向が注目されていた大相撲の横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が29日、現役を引退した。日本相撲協会に引退届を提出、受理された。

 日馬富士の暴行問題で、鳥取県警が捜査した結果、ビール瓶で殴打していないと判断していることが29日、捜査関係者への取材で分かった。一部の関係者がビール瓶を使ったと証言し、食い違いがみられたが、県警はカラオケのリモコンで殴ったと結論付けたもようだ。貴ノ岩の頭部の傷は角のあるもので殴打されてできたとみており、同席者らの証言やラウンジの現場検証の結果などを合わせ、ビール瓶での殴打はなかったと判断した。

 捜査関係者によると、日馬富士は17日の鳥取県警の事情聴取で、飲酒の上、貴ノ岩の態度に腹を立て、素手やカラオケのリモコンで殴るなどしたと説明。ビール瓶での殴打は否定した。白鵬も、おおむね同じ説明をしているとみられる。貴ノ岩は聴取で「目をつぶっていた」と話し、暴行時の様子を全て見ていたわけではないという。