元横綱大鵬(故人)の孫、納谷(17=大嶽)が、祖父が現役時代に着けた化粧まわしを着けて、新序出世披露に参加した。

 前相撲で新序出世一番乗りを決めたため、参加した9人の中で最初にしこ名が読み上げられると、館内には「納谷~」「大鵬~」と多くのファンの掛け声が響き渡った。すでに注目を浴びていて「ありがたいことなので、自分の相撲を見てもらえるように頑張りたいです」と話した。

 大鵬の化粧まわしは去年に、以前イベントで貸していた北海道の知人から返してもらっていた。元々は新序出世披露で使用するためではなかったが、師匠の大嶽親方(元十両大竜)の「お孫さんだから」という計らいで実現。化粧まわしを締めて「背筋が伸びますね。すごいうれしいです。自分も(自分の化粧まわしを)着けられるようになりたいです」と目を輝かせた。

 大鵬の命日だった19日は、大鵬夫人の納谷芳子さん宅に行き、遺影の前で手を合わせたという。そこで「しっかり前相撲に勝って番付に載りました」と天国にいる祖父に報告。だが「プロになってる姿を見せたかったと思いました」と寂しそうな表情を見せた。

 3月の春場所で、元横綱朝青龍のおいで同期の、豊昇龍(18=立浪)らと序ノ口デビューの予定。「しっかり前に出れば負けないと思う。まずは十両に上がることが目標です」と意気込んだ。