東前頭7枚目剣翔(28=追手風)が、ボクサーのように顔を腫らした。

東前頭8枚目松鳳山(35=二所ノ関)に張り手を5発浴びながら、最後は抱え込んで小手投げ。「目の前が真っ暗になってクラクラしてしまった。視点が合わなかった」と、勝ち名乗りを受けても数秒土俵を降りられなかった。

「意識はあったけど…土俵から降りるのが怖かったです」

苦笑いを浮かべるしかなかった。

ケンカ相撲でも頭は冷静だった。「逃げたら負け。張られて持っていかれるわけじゃないから」。

両目周辺は真っ赤。支度部屋に戻っても頭は痛かったが、10勝を挙げて敢闘賞を獲得した先場所以上の好スタートは切れた。