人気力士で関取復帰3場所目の東十両7枚目宇良(28=木瀬)が春場所9日目の22日、日本相撲協会に「左腓腹部肉離れにより3月場所の休場を要する」との診断書を提出して休場した。休場は19年秋場所以来で12度目。今場所は8日目を終えて6勝2敗と好調だった。

前日8日目は東十両4枚目炎鵬との“人気小兵対決”を制したが、相手を押し倒した勢いで土俵下に転落。審判員の竹縄親方(元関脇栃乃洋)と激突する形になった。その後は何事もなく立ち上がったものの、診断書によるとこの取組で左足を負傷したという。

部屋付きの稲川親方(元小結普天王)によると、宇良は前日8日目の取組後は部屋に戻って患部を冷やして治療。稲川親方は宇良に「無理するな」と伝えたが、宇良は「様子を見て出たい気持ちがある」と、回復状況によっては再出場する意向を示しているという。

宇良はアクロバティックな取り口で注目を集め、自己最高位だった東前頭4枚目の17年名古屋場所では横綱日馬富士を破って初金星を獲得するなど活躍していたが、同年秋場所で右膝を負傷。6場所連続休場から18年秋場所に東三段目91枚目で復帰するも、19年初場所で今度は左膝を痛めて再び5場所連続の長期休場に見舞われた。

その後は不屈の精神力でリハビリを重ね、19年九州場所に西序二段106枚目で土俵に戻ってきた。昨年九州場所で16場所ぶりに関取復帰。2場所連続で勝ち越し、返り入幕が視野に入ってきたところだった。

9日目の対戦相手、白鷹山は不戦勝。今場所の十両以上の休場者は白鵬、鶴竜の両横綱、平幕の琴勝峰に続いて4人目となった。