大相撲の宮城野親方(元横綱白鵬)が主催する「第13回白鵬杯」が12日、東京・両国国技館で行われた。

新型コロナウイルスの影響で縮小していたが、今回3年ぶりに通常開催に戻した。全国各地の小学1年~中学3年生に加え、7カ国(モンゴル、香港、台湾、タイ、米国、オーストラリア、ウクライナ)の子どもたちも集い、計122チーム、920人が参加した。館内に設けられた5つの土俵で熱戦を繰り広げた。

今大会から新たに「幼児部門」が設けられ、30人余りの子どもたちが相撲教室に参加した。宮城野親方、同部屋の十両の北青鵬と炎鵬がまわし姿で稽古をつけ、会場を盛り上げた。このほか、同親方が尊敬する「昭和の大横綱」大鵬の納谷幸喜さんの生前の活動を受け継ぎ、献血運搬車「白鵬号2」を日本赤十字社に贈呈する式典もあった。

宮城野親方は「3年ぶりに海外チームも参加して元に戻りつつある」と通常開催に戻った実感を込めた。ロシアによる軍事侵攻の影響を受けるウクライナから小中学生5人が参加したことについて問われると、「よく来てくれた。大変な中で大好きな相撲で日本に来ることができて、国技館で相撲を取った。故郷に帰って、もっと相撲をやってもらいたい」と願った。

13回を数える同大会。過去の大会参加者の中には阿武咲、琴ノ若、琴勝峰、王鵬をはじめ、角界でめざましい活躍をしている。今後の展望を問われると「子どもたちの喜んだ姿や悔しい姿を見ると、また新たにやりたい気持ちになる」とした上で、さらに国際化を目指す意欲を見せた。

今回は7カ国が出場したが、ここで満足するつもりはない。「相撲がある国は20何カ国あるということで、もっとグローバルに交流できれば」と期待を寄せた。【平山連】