大相撲春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)で新十両の落合(19=宮城野)が28日、関取衆が許される白まわしを初めて締めて都内の部屋で稽古した。幕下15枚目格付け出しデビューを飾った1月の初場所で7戦全勝優勝し、現行制度では史上最速、昭和以降では初となる所要1場所での十両昇進を決めた令和の怪物。真新しい稽古まわしに「うれしい気持ちです。関取になれた実感が湧いてきます」と胸を張った。

「真っ白ですごくきれいなんですけど、稽古をして良い意味で汚して、強くなっていきたい」。その言葉どおり、白まわしを締めた初日からびっしょりと汗をかくほど激しい稽古を見せた。新入幕で部屋頭の北青鵬、幕下の川副や向中野らと27番相撲を取り14勝13敗。204センチの北青鵬には8戦全敗と歯が立たず「まだ力が足りない」と苦杯をなめた。「肉体的にだけではなく精神的に鍛えていかないと、十両、幕内では戦えない。心技体全部で鍛えていきたい」と課題を修正し場所に備える。

地元の鳥取・倉吉市では後援会が発足。異例のスピード出世を果たした大器を応援する態勢が整った。落合は「応援してもらいながら、好きな相撲を全うできることが何よりも幸せ」。感謝の思いを込めて臨む春場所へ「誰と当たってもわくわくする。最高の状態に仕上げて全力でぶつかりたい」と力強く目標を口にした。【平山連】