モンゴル出身の関脇霧馬山(26=陸奥)が、逆転で初優勝を飾った。1差で追っていた単独トップの小結大栄翔を、本割で破って12勝3敗で並ぶと、優勝決定戦にも勝った。

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霧馬山の強さは、強い足腰とスタミナに裏付けられている。幼少からの遊牧民生活で自然と養ってきた。乗馬は日常茶飯事で「1日に30キロぐらい馬に乗って走っていた」という。足腰の強さに加えてバランス感覚も身に付けた。さらに井戸水の水くみを週に何度も、1日何十回も繰り返したことも、相撲のすり足と同じ効果があった。長い取組になればなるほど、しぶとく食らいついて白星を挙げる理由がある。陸奥親方には「相撲が長くなるということは、まだ強くないということ」と、さらなる稽古を求められている。来月で64歳となる師匠の定年退職まで1年余り。それまでに、最初に交わした「横綱になります」の約束を果たしたい思いにあふれている。