4年ぶりに再会したわが子の成長に目を細めた。

大相撲新大関の霧馬山改め霧島の父ビャンブチュルンさん(53)、母エンフゲレルさん(50)が31日、東京都墨田区の陸奥部屋で行われた愛息子の大関昇進伝達式に駆けつけた。夏場所千秋楽の28日に来日し、この日は感慨深そうに晴れ舞台を見届けた。ビャンブチュルンさんは「とてもうれしいです。息子と親方におめでとうございますと言いたいです」。エンフゲレルさんは「すごい良い記念です」と喜んだ。

幼い頃の霧馬山改め霧島について、父は「すごくモンゴル相撲が好きでしたね」と、村の祭りで行われているモンゴル相撲に参加させた時のことを回想。日本に来るまで相撲経験はなかったが、師匠の陸奥親方(元大関霧島)が素質を見抜き翌15年1月に正式入門した。当時息子と一緒に来日したという母は「初めて8年前に日本に来ました。息子を置いて帰った時にすごく落ち込みましたし、連れて帰りたいという気分になりました」と振り返った。久々に再会した息子が異国の地で成し遂げた功績を目の当たりにし、「行かせて良かった。きょうはすごくうれしいです」と話した。

日頃から子育てで大切にしていたことについて問われると、母は「礼儀正しい子に育てたかったので、先生の言うことをちゃんと聞くように言っていました」と紹介した。3月の春場所12勝3敗で初優勝を飾った際にはモンゴル国内全体でお祝いのメッセージをもらうなど、いまや母国でも注目はうなぎのぼりという。

来週に4年ぶりに帰郷を果たす息子のために、地元では家族、親戚らを交えて大関昇進を祝う催しも計画されているという。今後も活躍が楽しみな27歳について、父は「親方の言うことをちゃんと聞いて、素直さを忘れないでほしい」。母は「毎日の稽古に精進して1日一番頑張ってほしい」と期待を寄せた。