幕内後半戦の佐渡ケ嶽審判長(元関脇琴ノ若)が、打ち出し後に報道陣の取材に応じ、千秋楽を残して3場所32勝に到達した大関とりの関脇豊昇龍(24=立浪)について「まだなんとも言えないところですね」と明言を避けた。

そして「これが33勝とか、34勝だったら話が違うと思うんですけど、後は千秋楽の相撲を見てから」。場所後の大関昇進かどうかは千秋楽の取組が終わった上でと説明した。

この日、大関とりのライバル若元春に立ち合い変化されるも冷静対処し、小手投げで退けたことについては「豊昇龍は若元春の変化に対して、しっかりついていけた。ある意味落ち着いて相撲が取れているのかな」と評した。

一方で連敗を3で止めた大栄翔だが、立ち合い変化を見せるなど本来の相撲とは違った。「連敗しているから勝ちたかったのかな。そういう相撲に見えましたね」と評した。

千秋楽を残して大関とりに挑む3関脇では豊昇龍のみが昇進目安の3場所33勝に届く可能性がある。一方で若元春、大栄翔は既に昇進目安に到達しないことが決まった。佐渡ケ嶽審判長は「(若元春、大栄翔は)厳しいですね」と言いながらも、来場所で大関とりに再チャレンジになるかについて問われ「そこも千秋楽の相撲を見てから」と含みを持たせた。

最後に19歳伯桜鵬について。“令和の怪物”は北勝富士を破り、3敗に引きずりこむ活躍を見せ、千秋楽で優勝を争う形となった。

佐渡ケ嶽審判長は「理事長も大したもんだとおっしゃっていましたからね。まだ19歳ですからね」と驚きを隠せない様子。強さを感じる点について尋ねられると、「負けたくないという気持ちが出ている」と指摘。19歳とは思えない落ち着きぶりをたたえながら、「あーいう若手が頑張ってくれれば、また面白くなっていくでしょうね。今後さらに盛り上がってくれると思います」と期待を寄せた。