負けた相撲は、自信なさそうに変に構えて相手を見てしまってやられているのが霧島です。逆に攻めている相撲には、自信を持って取っていることを感じます。2敗はしていますが、今場所の霧島は後者の相撲です。若元春が得意の左差しは仕方ないと許容する一方で、それを上回る自分の攻め手を作りました。そのための第1歩が立ち合いでした。頭で低く当たり右脇を締めて、おっつけるような当たりです。これで狙い通りに右の上手を取れ、頭をつけた低い体勢もとれました。その後、左を差されるわけですが、深く差されると背筋の強い若元春に起こされます。そうはさせない体勢を、立ち合いからの流れ、駆け引きで作りました。計算ずくの相撲で、寄る時も右で若元春の差し手を引っ張り込んで、二頭筋のあたりをロックさせて自由にさせなかったのは、霧島らしい攻めでした。

大関最初の場所こそケガで苦しみましたが、ケガなく攻めの相撲さえ出来れば優勝の可能性は高いと思っていました。その最初のヤマが12日目の琴ノ若戦。絶対に右を差させずに低い立ち合いでまわし十分の体勢から、攻め間違いさえしなければ霧島。右の下手を取って霧島の頭が上がれば琴ノ若にチャンスがあるかな、と2敗同士の大一番を占っています。(日刊スポーツ評論家)