西十両筆頭の琴勝峰(24=佐渡ケ嶽)が、3度目の十両優勝を果たした。本割は、もろ手突きの立ち合いから朝紅龍を一気に突き出し。先に取組を終えていた大の里と並ぶ12勝3敗とした。大の里との優勝決定戦では、先に左上手を引いて振り回し、遠心力を使って上手投げで仕留めた。先場所までは10場所連続で幕内を務め、11場所ぶりとなった十両土俵で、実力を示した。

取組後、思いを問われると「ホッとしたのが一番」と答えた。本割では「少し緊張していた」というが、優勝決定戦になると「ここまで来たら、どっちにしろ思い切りやるだけと思えた」と、落ち着いて取った。優勝決定戦で顔を合わせた大の里には、初顔合わせだった8日目にも勝っていた。相手は日体大で2年連続アマチュア横綱で、幕下10枚目格付け出しで5月の夏場所で初土俵を踏んだ4場所目の新鋭。対する琴勝峰は1月初場所では、幕内で初優勝目前まで迫り、千秋楽では大関貴景勝と相星決戦の末に敗れていた。

それだけに「まだまだ、ざんばら。年齢は近いけど、入ってきたばかりで、負けたくなかった」と、内に秘めた思いを口にした。ただ「大の里関のおかげで、最後まで意地を出して、満足せずにいけた」と、3日目から12勝1敗の好成績の要因として、大の里への対抗心がモチベーションになったという。さらに2連敗スタートで、師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)から「琴勝峰らしくない」と、消極的な内容を指摘され、攻め気を取り戻したことも奏功した。

返り入幕が確実な来場所は、1年前に幕内優勝を争ったが「今年と来年では、また違う。その時、その時に気持ちをつくって、挑戦する気持ちでいきたい」と、挑戦者の気持ちで臨むことを強調した。今場所で初土俵から丸6年。来年を飛躍の年にしたい思いをにじませた。

【一覧】九州場所取組速報はコチラ