3場所休場明けから復活を目指す横綱照ノ富士(32=伊勢ケ浜)が、優勝戦線を混戦模様にした。1敗の琴ノ若(26=佐渡ケ嶽)を寄り切りで下し、単独トップから引きずり降ろした。2敗が3人となって、残り2日に向かう。

強い。照ノ富士が、大関昇進を目指す好調な琴ノ若の前にどっしりと立ちはだかった。対戦成績で5戦全勝と圧倒していたが、腰痛のケガ明けでの3場所ぶりの出場。コンディションが不安視される中でも、合口の良さを生かして難なく退けた。

昨年名古屋場所を腰椎椎間板ヘルニアなどで途中休場。その後には腰の骨が一部折れていることも判明し、3場所休場を余儀なくされた。23年は年6場所で15日間皆勤できたのは8度目の優勝を飾った夏場所にとどまり、これまで温かく見守ってきた横綱審議委員会(横審)も初場所での出場がかなわなければ「コメントなどを出す」との見解が出された。

師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)に進言してまで出場に踏み切った中で、日を追うごとに力強い相撲を土俵の上で見せている。琴ノ若を撃破し、残り2番。9度目の優勝へ視界良好だ。