日本相撲協会は28日、都内で理事会を開き、元幕内北青鵬の暴力問題が起きた宮城野部屋を当面閉鎖とし、師匠の宮城野親方(39=元横綱白鵬)、部屋付きの間垣親方(34=元前頭石浦)、十両伯桜鵬(20)ら力士ら全員が伊勢ケ浜部屋に転籍すると発表した。現役時代に史上最多の優勝45度など数々の大記録を樹立した宮城野親方は、部屋付き親方として再出発を図ることになった。

宮城野親方は昨年12月19日、東京・中央区日本橋の一等地に、新たに部屋を建設するための土地を購入していた。敷地は480平方メートル余り。地元不動産会社は「あのあたりは1坪700万円ほどでしたが、利便性があり、昨今の物価高で地価は高騰傾向」と説明する。16億円を極度額とした根抵当権が設定され、同程度の価値があるという。現在、宮城野部屋は東京・墨田区東駒形にある、旧東関部屋を仮住まいの部屋としている。早ければ年内にも新部屋を建設、引っ越しする計画は、立ち消えとなった。

現在、新部屋の建設予定地は駐車場となっている。すでに近隣住民の間では、宮城野部屋の建設予定地ということは広く知られている様子。ある住民は「比較的近場に荒汐部屋もあり、最近は近所の神社への参拝客も多いエリア。盛り上がってくれればと思っていたけど、あの問題でどうなるか…」と、一時の歓迎ムードが消沈気味だと話した。「幻の宮城野部屋」となるのか、数年後、晴れて新部屋となるのか注目される。