「アイドル×バラエティー」。アイドルにとってバラエティー番組は、メンバーの新たな魅力を掘り出し、人気拡大につながる大きなコンテンツの1つだろう。日本テレビでは2年半ぶりの冠番組として復活した「AKB48 サヨナラ毛利さん」(木曜深夜0時59分)が今月7日からスタート。“令和版アイドルバラエティー”に挑戦する同番組の初回収録に潜入。08年から同局での冠番組に出演の柏木由紀(30)と、48グループ総監督の向井地美音(24)に話を聞いた。【大友陽平】

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「AKBINGO!」の終了から2年半ぶりに、日本テレビでの冠番組が復活した。

柏木 AKBのみんなでバラエティーは、個々のキャラクターを知ってもらえたりする場でした。そういう場が毎週テレビで放送されるというのは、めちゃくちゃうれしいです!

向井地 「AKBINGO!」が終了してしまった時は、心にぽっかり穴が開いたというか、AKBにとって大事な1つの居場所がなくなってしまったという思いがあったので、こうやって復活できたことがほんとにうれしいです。

グループがブレークする前の08年に「AKB1じ59ふん!」がスタートした。柏木もかつて、番組の企画で特徴的なリアクションや、“私服がダサい”とイジられた。

柏木 グループが世間に知られていなかった当時は、この番組でどうにか何か残さないと終わっちゃうみたいな感じで、みんなで毎回反省会でした。最初は私も歌って踊れればいいという感じだったんですけど、番組でパーソナルな部分を引き出してもらって、何でも笑ってもらえればいいかとすごく肩の力が抜けたというか、そのおかげで幅が広がったんです。

向井地は加入前、ファンとして番組を見ていた。

向井地 クラスでAKBがはやっていて、「じゃあメンバーを覚えよう!」ってなった時に見たのが「AKBINGO!」でした。自分が出演させてもらえるようになってからは、最初は全然しゃべれなくて、「おもしろいことをしなきゃ!」とかも考えられずに、必死にとにかくやっていたら、うどんを早く食べなきゃいけないことになって「もぐもぐみーおん」が誕生したり(笑い)。必死にやれば、そういうキャラクターにつながることもあるんだなと学びました。

アイドルとバラエティー。切っても切れない関係にもなりつつあるが、どう捉えているのか。

柏木 私はもともとモーニング娘。さんが好きで、コントとか体張ったりしているのを楽しみに見ていました。好きなアイドルが頑張ってる姿を見て元気をもらってましたし、それもかわいい! って思ってました。ステージ上だけでは伝えられないそれぞれの魅力や個性を伝える場として、すごく大事だと思います。

向井地 歌って踊っているだけだとすごい遠い存在に見えるのが、親近感を感じるのがバラエティーなのかなと思います。アイドルも1人の女の子なんだな! って感じられて、それが強みなのかなと思います。

グループの冠番組となれば、なおさらその効果は大きい。

柏木 番組が放送される30分、AKBのメンバーしか出ていません。誰かが目立ってくれれば、それが全部AKBにもつながります。そういう意味ではチームワークも大事ですし、みんなで盛り上げたいなと思います。

向井地 番組の初回から自分たちが出られているという経験がこれまではなかなかなかったので、今いるみんなが番組の“オリメン”(オリジナルメンバー)になれます。これまで先輩方も、例えば(大島)優子さんが盛り上げて、たかみな(高橋みなみ)さんがボケて、誰かが突っ込んで…といった役割分担が形になっていたと思うので、「サヨナラ毛利さん」でも作っていきたいです。

メンバーも体を張りつつ、新たな挑戦をしていく。

柏木 罰ゲーム系は一通りやったので、それはまだやったことがない若い子たちに…(笑い)。ただ、いつでもパスが回ってきたら何でもやります!

向井地 個人的には体を張るのもすごい楽しくて好きなんですけど、最近はクイズ番組も多いですし、ガチで頭脳勝負とかやってみたいです。成績が良くても悪くても、どちらも覚えてもらえると思うので!