9月末にSKE48を卒業する古畑奈和(25)が卒業ソロシングル「ひかりさす」を発売することを受けて、“卒業インタビュー”も兼ねて取材した。

卒業を控えるメンバーに、必ず聞く質問がある。それは「あなたにとって、アイドル(グループ)は何ですか?」という質問だ。何か定義づけたいわけではなく、そのメンバーがどんなアイドル人生を送ってきたか、どんな思いで活動してきたのか-。卒業後も人生は続いていくが、その時点での考えなど、全てが凝縮される気がするからだ。

そう思うきっかけは、16年4月に卒業した、高橋みなみ(31)の答えに感銘を受けたからだ。15年末のインタビューで、同席した後輩記者が「これからアイドルを目指そうという女の子に向けてのメッセージも兼ねて、『アイドルって○○だ』というなら、何になりますか?」と聞いた。高橋の答えは「アイドルとは人間です」。「アイドルはトイレに行かないという時代ではなく、意図せずプライベートも全てがさらけ出されてしまうからこそ、喜びも悲しみも、アイドルの持つ感情だって、人間そのものだと思うんです」。そうよどみなく話す姿に、思わず震えてしまったからだ。

例えば、指原莉乃(29)は、19年4月の卒業コンサートの際に「情熱大陸みたいですね」と笑いながら「私の全てです。アイドルとして生きた記憶しかないので、これから抜け殻になりそう」と話した。

今年に入ってからいうと、AKB48入山杏奈(26)は「宝探し」と答え「世の中の人全員が知ってるわけではないし、『私は宝です』って立ってるわけではないんですけど、みんな1つ1つが宝で、見つけられたらうれしさがあって、見つけたら大切にしてもらえて…。そして、自分にとっての“宝物”を見つける場所でもあります」。大場美奈(30)は「アイドルとは無限大! どの形も正解です! 時にわがままを言ったり、つらかったことをファンにはき出す方が良いこともあります。ファンの皆さんとの絆を深めながら、後輩にもいろいろな夢をかなえていってほしい」と話した。

古畑はアイドルとは「幸せなもの」と言った。「私は何かに熱中して応援したことはなかったんですけど、それをできるファンの人たちってすごいなって。人の夢をちょっとでも背負って、かなえるために必死に動ける人って、すごくかっこいいなって。そういう方たちに出会えただけで幸せだなって思っています」。

人生いろいろ。アイドル人生もいろいろ。人生観も、アイドル観も人それぞれ。卒業は1つの区切りであり、次へのスタートでもある。その節目に、これからも「あなたにとってアイドルとは?」問うていきたいと思う。【大友陽平】