女優森川葵(30)が、15日公開の映画「君のクイズ」(吉野耕平監督)に出演している。生放送クイズ番組「Q-1グランプリ」準決勝で敗退し、作品最大の謎となる“0文字解答”の謎に迫るクイズプレーヤー、富塚頼子を演じる。作品の見どころや、演じる上での考え、さらに30歳を迎えて向き合う女優としての目標に迫った。【野見山拓樹】

- インタビューでは記者に逆質問したり、本当に気さくに対応してくださいました。話が盛り上がったおかげで? 撮影時間が5分足らずと短くなってしまいましたが、焦るオッサンにも優しく、いろんな表情を見せてくれました(撮影・野上伸悟)
★早押しボタン押す役
森川演じる富塚頼子は、主人公の三島玲央(中村倫也)らとともに、決勝の最終問題を1文字も聞かずに正解した本庄絆(神木隆之介)の謎に迫る役どころ。自ら作問するほどクイズを突き詰めたキャラクターを演じたが、「私はクイズは苦手なんですよ。そもそもの知識量があまりなくて…演じる中でボタンを押すタイミングや必要な知識量を知って、クイズの難しさが分かったので、トライするのが余計に怖くなりました」と苦笑い。「瞬発力はあるので、チーム戦で早押しボタンを押すだけの役ならできると思います」と笑みを浮かべた。
★ワイルド・スピード
クイズは苦手と明かしたが、卓越した手先の器用さや抜群の集中力を武器に、なんでもできる才能の持ち主としてバラエティー番組で注目を浴びていた。日本テレビ系で24年まで放送されていた「それって!?実際どうなの課」では、カップを回しながらサイコロを何個も積み上げるダイススタッキングや、カップを積み上げたり元に戻したりする競技のスポーツスタッキングを、驚異的な早さで習得。スポーツスタッキングでは国際大会にも出場し、アジアの頂点にも立った。さらに石投げ水切りや連結したけん玉など、経験のない段階から高難易度の技を楽々と習得させることから「ワイルド・スピード森川」の異名がつけられるなど、大きな話題を呼んでいた。
★手先の器用さに自信
手先の器用さには自信があるといい、「昔から細かい作業は好きで、学校でも図工とか美術が好きでした。高校も工業系の学校に通って、木を削って家具をデザインしたり椅子を作ってみたりとか、そういうのがすごく好きでした。跳び箱とか鉄棒とか体を操作する運動は好きで、人の動きを見て再現できちゃうんですよね」という。そのうえで「限られた短い時間の中でどこまで精度を上げられるかを自分の中で試すのが好き。一生懸命努力している人には絶対にかなわないけど、できないことがとにかく悔しくて、だから一生懸命頑張れるんだと思います」と、究極の短期集中型な性格だと明かした。
一方で、「前準備が苦手。計画して動くのが苦手なので出かけるときも適当に準備を始めたら1時間前に準備完了しちゃったり、逆に家を出なきゃいけない時間に準備が終わっていないこともある」と苦笑い。準備が苦手なことが、限られた時間での集中力を生み、「台本を渡されるとすぐにざっくり覚えて、前日にちょっと確認して撮影に臨んでいます。直感タイプなのでファーストインプレッションを大事にしたいし、何回も読み返して自分の中で凝り固まったものを作りたくない。寝る食べるとか、お風呂に入るとか、あるがままの自由な時間がいっぱいほしくて、それを作るために短期集中で覚えているんだと思います」と語った。
★はまり役に出会えず
17歳で女優デビューして以降、数々のドラマや映画など話題作に出演し、それぞれでまったく異なる顔を見せてきた。地味で暗い役から天真らんまんで明るい役まで、多彩な役を器用に演じ分けることから「カメレオン」とも称される。役の幅が広いがゆえに「多分、私に対してこれといったイメージがないんですよ。いろんな役柄のオファーをいただけるので『いろんな役をやっているよね』や『全然雰囲気が違うね』と言ってもらえることが多いんだと思いますけど、いわゆる、この人ならこの役! みたいなものがない」と、はまり役に出会えていないと分析する。それでも「自分にはまる役が今までなかったからこそ、いろんな役を幅広くやれてきたと思います。今回の作品は、明るいけど少し抜けているような役柄で、めちゃくちゃ私にはまっています。そういった自分っぽい役が今後増えるといいな」と、今後の役者人生の目標を語った。
★全部大事にしながら
昨年で30歳を迎えた。役者として楽しさを感じる瞬間を問われると、数秒考え込み、「今はちょっと迷走しています」と明かした。
「以前よりも心に余裕を持って演じられるようになった分、ガッツというか、必死さがなくなっている気がします。今までのような楽しさを心から感じられていないというか…。だから、10代や20代のころとは違う楽しさを探していく30代になっていく気がしていています。シーズン1が終わってシーズン2に入っていく時期なんじゃないかな? 燃える瞬間も少し嫌な瞬間も全部大事にしながら、シーズン2を楽しんでいきたいと思います」
新たな楽しみと可能性を切り開くシーズン2は始まったばかり。手探りしながら、新たな正解を導き出す。
▼「君のクイズ」で共演した俳優中村倫也(39)
森川葵は、よくわからない。マイペースかと思えば小さなことに気をもんでいる節があるし、自信があるようにも、不安そうにも見える。自分を主張したいようにも、存在感を消したいようにも見える。均衡が取れているように見えてアンバランスな影がちらつく瞬間もある。よくわからない。でもそのわからなさがとても魅力的な俳優だと思う。願わくば、ずっとわからない存在でいてほしい。そしてたまに、すっかり安心した笑顔をみんなに見せてほしいと、期待せずにはいられない。
◆君のクイズ
賞金1000万円を懸けて戦う生放送クイズ番組「Q-1グランプリ」の決勝戦の最終問題で、“クイズ界の絶対王者”三島玲央(中村倫也)は、“世界を頭の中に保存した男”本庄絆(神木隆之介)に問題が1文字も読まれないうちに正解を言い当てられ、敗れた。問題文が0文字の状態で正解できたのは、やらせ? 不正? それとも魔法? なぜ問題を1文字も聞かずに正解できたのかの謎に、三島が挑む。
◆森川葵(もりかわ・あおい)
1995年(平7)6月17日、愛知県生まれ。10年にファッション雑誌「Seventeen」の専属モデルオーディションでグランプリに選ばれ、モデルデビュー。12年に「LOVEToRAIN-ラヴトレイン-」で主演し、女優デビュー。TBS系ドラマ「賭ケグルイ」シリーズなど話題作に多数出演。趣味は編み物。身長157センチ。






