俳優国広富之(55)の次女、谷内里早(りさ=14)が女優デビューすることが15日、分かった。野坂昭如氏の同名小説が原作の映画「火垂るの墓」(日向寺太郎監督、7月5日公開)に出演した。清涼感や存在感を持つ10代女優を探していた関係者の目に留まり、起用が決まった。度胸や存在感は父親譲り、音楽の才能はバイオリン教師の母親譲りで、将来性にあふれている。

 昨年、国広が「こんなに大きくなりました」と愛娘の写真を芸能関係者に見せたことが、すべての始まりだった。見初めた関係者から、写真はすぐに日向寺監督の手に。凜(りん)としたたたずまいで「ぜひこの子を使いたい」と言わしめた。父親の影響は特に受けていないという谷内も「テレビで見ていると楽しそう」と、芸能界に興味を持っていたことから、デビューが決まった。

 現在、ティーン向けファッション誌「ピチレモン」のモデルとして活動している。映画撮影に参加したのは昨年夏。不遇の主人公の兄が淡い恋心を抱く校長の娘を演じた。ピアノを弾いたり、透明感のある声で歌うシーンが印象的だ。母親はバイオリン教師で、幼いころから音楽に親しんできた。「映画やドラマに出てみたい。ボーイッシュな役をやってみたい」と芸能界での活躍を夢見ながら「音大のバイオリン科に行きたいと思っています。バイオリンは続けたい」と両立を目指す。ピアノは幼稚園のころから学び、あわせて始めたバイオリンは今も続けている。

 目標とする女優は宮崎あおいと韓国女優のイ・ナヨン。「2人の演技はとても自然で上手だから」と説明する。母親の影響から韓国ドラマもよく見るという。現在、中学3年生。国広とは「あまり話をしていません」と思春期の少女の素顔をのぞかせる。「友達のお母さんから言われて、すごい人だったんだと思いました。普段は意識していません」。どんな父親なのかと問われると「お皿を洗ったり、テキパキとしています」。塾の送り迎えの車中で、国広から「自分のセリフが終わっても演技をやめちゃダメだよ」とアドバイスされ「反省点はいっぱいありましたし、なるほどなぁ、と思いました」。父としてではなく、芸能界の先輩からの言葉として素直に感謝している。