「カンパニー -努力、情熱、そして仲間たち-」新人公演は、100期入団期待の風間柚乃(ゆの)が初主演を務める。新人公演は宝塚で今月27日、東京は4月12日。

 100期生期待の風間柚乃が「カンパニー」新人公演で初主演を射止めた。

 「誠心誠意、珠城さんが作り上げられる像に近づけるように。男役として、ちょっとだけ、第1歩を踏み出せた気がします」

 昨年初頭の「グランドホテル」新人公演で、人気スター美弥るりかが本役のオットーに抜てき。セリフの量も格段に違い、センターでのソロ歌唱も経験した。

 「美弥さんから『お稽古の中で、役になりきって、どう感じたかを大事に』と言われ、役として生きる大切さを学びました」

 宝塚音楽学校時代の「文化祭」でも芝居で主演。演技の評価は高かった。今回の役柄はサラリーマン。衣装に頼れないスーツ物は、下級生には難しい。

 「毎日、阪急電車の中で、研究しているんですけれど」と笑う。男役の自然なしぐさにひかれていた。

 「ネクタイを触るとか、自然な流れが好きで」

 母の影響で宝塚にひかれ、小学6年で宝塚入りを意識。中学2年でバレエを始め、両親に志望を告げた。

 「芸能界ではなく、宝塚に入りたかった。両親はいろいろ思うことがあったと思うんですけど。私があまりにまっしぐらで、何も言われませんでした」。父はプロゴルファーの小達敏昭、伯母は名女優だった故夏目雅子さん、義伯母は故田中好子さんだ。

 心配を隠して応援してくれた両親には感謝する。幼い頃から、自然に“芝居”をしていた。きっかけは1人遊びだった。

 「1人っ子だったので、一人二役で遊んでいました。勉強に飽きちゃうと、うちにあったレジスターをいじって、お客さんと店員さん役をやっていました」

 子供のころ映画、アニメを見ると悪役や脇役にひかれた。「存在感がすてきだったな、とか考えて」。少女向けアニメより、ウルトラマンが好きだった。

 「男の兄弟もいないのに、ウルトラマンを父と見ていました。さすがに怪獣じゃなく、ウルトラマンが好きでしたけどね!」

 はにかむ表情に初々しさが残る。「1日1日、この一瞬をどう過ごしていくか。その瞬間を大事に生きることが、1年につながっていくと思う」。スターへ続く階段。その第1歩を踏み出したばかりだ。

 ☆風間柚乃(かざま・ゆの)5月1日、東京都生まれ。14年入団の100期生。月組配属。元月組トップ瀬奈じゅんにあこがれ宝塚入り。芝居の評価が高く、昨年「グランドホテル」新人公演で準主役に抜てき。身長169センチ。愛称「おだちん」「ゆの」。