落語家桂米団治(59)が16日、大阪・サンケイホールブリーゼで毎夏恒例の独演会を開催した。

 故桂米朝の長男で今年、襲名10年を迎える米団治。この日は「京の茶漬」「たちぎれ線香」「阿弥陀池」の3席を披露。コミカルな物語の「京の茶漬」「阿弥陀池」で満員の客席を沸かしたと思えば、悲恋の物語である「たちきれ線香」では、迫真の語りで聞き入る観客を引き込んでいた。

 今春、米朝が設立し自身も所属する「米朝事務所」の社長に就任にした米団治。「思ってもみないことでして」と驚きを話しつつも、社長として「事務所のグッズの売れ行きが事務所の今後を占う」と会場で販売されているグッズにも気をかけているといい、この日販売されていた「桂米団治のこだわりオニオンカレー」は、同事務所近くにある店の米団治お気に入りカレーがモチーフと話した。

 「4回、味を変えてもらい、半年かかって作った」と力の入れ具合をアピール。同事務所の桂南光(66)からは「君な、それぐらい落語に時間をかけい」と突っ込みを受けたとも明かし、会場を笑わせていた。

 上方落語四天王の1人と呼ばれ、15年に亡くなった米朝との思い出も話し、「時代は変わっていくわけですね」。自身節目の年に気持ちを引き締めていた。