宝塚歌劇の星組「眩耀(げんよう)の谷~舞い降りた新星~」新人公演が25日、兵庫・宝塚大劇場で行われ、5年目の碧海さりおが初主演した。

石川・星稜高出身で、在学中に来校したOB本田圭佑が口にした「何事にも限界はない。あきらめたら、自分が負けだ」との言葉を胸に、宝塚音楽学校は4度目の挑戦で合格した。

本田譲りの不屈の魂で、念願の主演をゲット。初センターには「ライトがとってもまぶしかった。カツラにも慣れないと。東京(公演)ではもっとしっかりお見せしたい」と決意も新たにした。

稽古場で「0番」に立った時から「いろんな人の思いを背負っている。責任をもって」と覚悟を決め、開演の直前までは「緊張しなかった」という。

「ところが舞台に出た瞬間、すごく緊張して…」と苦笑。それでも「お客様の拍手が支えになりました」と言い、無事に主役を務め終え、安堵(あんど)の笑みを浮かべた。

本公演は、新トップ礼真琴と相手娘役・舞空瞳の本拠地お披露目。入団から約1年後の「こうもり」新人公演で、礼の役に抜てきされた縁もある。

この日、礼から「上手にしなくていいから、思い切り楽しんでおいで」と言われ、送り出され「すごい気持ちが楽になりました」と感謝した。

ヒロインは、6年目の桜庭舞(さくらば・まい)。主演の碧海より1年、本役のトップ娘役舞空より2年先輩になる。

桜庭は「朝からずっと緊張していて、(舞台で)からだがフラフラしてしまった」と言いつつ、舞空への思いも吐露。「稽古場の時点から(自身の演技を)どう感じたか伝えてくれ、今回は(舞空の)大劇場お披露目でもあり、一緒に緊張してくれ、温かい気持ちになりました」と話していた。

東京宝塚劇場は4月9日。