米ニューヨークのクリスマスのシンボルとして人々に親しまれているマンハッタンにあるロックフェラーセンターに毎年飾られるクリスマスツリーの中から両手に収まるほど小さなフクロウが見つかり、コロナ禍におけるパンデミックの希望の光として注目を集めている。

NBCテレビなどによると、高さ約23メートルのツリーは同州オニオンタで伐採されて約274キロの距離を移動してきたといい、フクロウは発見されるまで3日間飲まず食わずの状態だったとみられている。16日に飾り付けをしていた作業員が木の間から発見して保護。その小ささから当初はフクロウの赤ん坊だとみられていたが、北米に生息する最も小型なアメリカキンメフクロウの大人であることが判明した。野生生物センターによると、保護時は衰弱していたものの水分と餌のネズミを与えて現在は体調は回復傾向にあり、「ロックフェラー」と名付けられたという。

報道によると木は伐採後、運搬するために梱包(こんぽう)する作業過程で職員が木の枝の間などに野生動物が紛れ込んでいないか確認作業を行っていたがフクロウを発見することはできなかったという。

今後は獣医師の診断を受けて許可が出れば、再び野生に戻される予定だ。全米では再び新型コロナウイルスが猛威を振るう中、ロックフェラーセンターに到着した今年のツリーは枝が垂れ下がっていて元気がないように見えることから「激動の2020年を象徴している」とSNSで話題になっていた。

そんな中で両手にすっぽり抱きかかえられたフクロウの愛らしい姿が公開されると反響は大きく、同センターには多くの寄付も寄せられているという。

ロックフェラーセンターのクリスマスツリーの飾りつけは、大恐慌だった1931年から始まっており、盛大な点灯式典は2年後の33年から続くニューヨークの冬の風物詩として知られている。

ツリーはこれから2週間近くかけて飾り付けがされ、12月2日に点灯式が行われるが、今年は新型コロナの感染拡大の影響で無観客で行われる。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)