佐藤健(32)の主演映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」(大友啓史監督)が、4日の公開初日から6日までの3日間で興行収入(興収)5億807万2400円、動員35万199人を記録し、週末の全国興収ランキングで1位となった。配給のワーナーブラザース映画が8日、発表した。

また3月23日に封切られた「-The Final」も、政府が3度目の緊急事態宣言を決め、発出された同25日から東京と大阪の映画館は休業を余儀なくされるなど苦境に立たされていたが、6月1日に東京と大阪で休業要請が緩和された後、興収と動員を伸ばし同ランキング2位となった。2作が連続で1、2位を独占するのは日本映画史上、初めてだという。14年に「京都大火編」「伝説の最期編」が連続公開された際も「伝説の最期編」が1位、先に公開された「京都大火編」が7位だったという。「-The Beginning」公開を受けて、2作連続で見る観客が多いことも興収と動員につながったとみられ、「-The Final」は6日時点で興収34億5181万9800円、動員は245万6744人に上り、2作合計の興収は40億円に迫った。

「るろうに剣心」は漫画家・和月伸宏氏の漫画を原作に、11年8月に第1作の撮影がスタート。幕末最強の「人斬り抜刀斎」緋村剣心を演じた佐藤らの身を削ったアクションが話題を呼び、続編の「京都大火編」「伝説の最期編」と3作合計の興行収入は120億円と1大ヒットシリーズとなった。第1作の製作が開始された当初は、若手人気俳優と位置付けられていた佐藤も、自身の代表作を得て大きく飛躍した。

明治時代を描いた原作の終盤を実写化した「The Final」と、幕末を描いた「The Beginning」は、18年11月に撮影を始め、並行して撮影を進めながら19年5月に撮了した。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、20年5月に公開が1年延期された。さらに、3度目の緊急事態宣言発出で「-The Final」が全国で見られなくなる事態に陥るなど、紆余(うよ)曲折、困難を乗り越え、仕切り直した末の“ロケットスタート”となった。

佐藤は4日、都内で「-The Final」の大ヒット舞台あいさつと「The Beginning」初日舞台あいさつに連続して登壇。10年で5作積み重ねたシリーズについて「この作品(『The Beginning』)を見てもらい、やっと始まる。末永く愛していただきたい」と観客に呼び掛けた。その上で「映画館で見られるこの時期は、僕にとって特別な幸せ。出来ることなら皆様と共有し、過ごしたい」と感慨深げに語っていた。